「高校無償化」で、教育費はいくら減る?|無料になるのは授業料だけで、公立でも年55万円が残ります

「無料になるのは授業料だけ」と書かれたアイキャッチ。右側で指を1本立てて説明するふくお 貯める・家計

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2026年4月から、高校の授業料を支援するしくみが大きく変わりました。ニュースでは「高校無償化」と呼ばれています。所得制限がなくなり、私立高校の支給上限も45万7,200円まで引き上げられました。

ただ、この名前のまま受け取ると、家計の見通しを間違えます。無償になるのは「授業料」だけで、高校でかかるお金(学習費総額)のうち授業料が占める割合は、文部科学省の調査(令和5年度)の金額から計算すると公立で7.6%、私立で23.7%です。授業料がまるごとゼロになっても、公立で年55万1,682円、私立で年90万91円は今までどおり家計から出ていきます。(いずれも平均額です。塾に通うかどうかや通学距離で大きく動きます)

この記事では、法律・政令の条文と文部科学省の統計だけを使って、「いくら減るのか」と「いくら残るのか」を数字で並べます。そのうえで、浮いたぶんをどこに置くかまで一緒に考えていきます。

💭 こんな悩み・不安はありませんか?
  • 「高校無償化」と聞いたけれど、うちの家計はいくら助かるのか分からない
  • 私立を選んでも大丈夫なのか、判断する材料がない
  • 所得制限がなくなったと聞いたが、手続きがいるのかどうか知らない
  • 高校のために、結局いくら貯めておけばいいのか見当がつかない

→ ひとつでも当てはまったら、この記事が「減るお金」と「残るお金」の仕分けをお手伝いします。

  • 文部科学省自身が「高校無償化」を的確な表現ではないとしている理由
  • 2026年4月に、法律の条文から消えた言葉と、新しく入った言葉
  • 支給上限「公立11万8,800円・私立45万7,200円」の根拠と、その数字の出どころ
  • 高校1年でかかるお金のうち、支援が届かない部分の実額
  • 申請と期限まわりで見落とされやすい3つのルール
ふくお × ねこた
ねこた
ねこた

ふくおさん、今年から高校が無償化されたって聞いたっす。うちの姉が「高校のお金、もうかからないんだって」って喜んでたんすけど、それってつまり、高校はタダになったってことっすよね?

ふくお

気持ちはすごく分かるんだけど、そこは分けて考えたほうがいいんだ。無償になったのは授業料だけだよ。しかも、文部科学省のページには「いわゆる『高校無償化』と表現されることが多いですが、的確な表現としては、授業料を支援する『高等学校等就学支援金』です」と書いてある。国のほうが名前を訂正しているんだ。

ふくお
ねこた
ねこた

え、国が「その呼び方は違う」って言ってるんすか。でも授業料がゼロなら、けっこう浮くんじゃないっすか。高校って授業料がいちばん高いイメージあるっす。

ふくお

そこが今日のいちばん大事なところ。文部科学省の調査の金額から計算すると、公立高校で1年にかかるお金(学習費総額)のうち、授業料は7.6%なんだ。学校に払うお金のなかでいちばん大きいのは授業料じゃなくて通学関係費で、授業料の倍以上ある。しかも学校の外で使う塾代は、その通学関係費よりさらに大きいんだよ。私立でも授業料は23.7%だね。

ふくお
ねこた
ねこた

7.6%…。じゃあ残りの9割ちょっとは、今までどおり払うってことっすか。姉に言ったら怒られそうっす。

ふくお

怒られない伝え方があるよ。「減らない」じゃなくて「減る場所が決まっている」と伝えればいいんだ。減る場所がはっきりすれば、残る場所にいくら用意すればいいかも決められる。この記事では、条文と統計だけを使って、その二つを分けていくね。

ふくお
✏️ ふくおの体験談

小さな芽が出た鉢植えを前に、これからの育て方を考えているふくお

2026年5月に、こどもNISAの記事を書きました。対象年齢、年間の上限額、引き出しの条件、贈与の扱い。制度の側は、そこそこ細かいところまで調べたつもりでいました。

ところがその記事の中で、僕は「教育資金の準備」という言葉を何度も使っておきながら、その教育資金の中身がいくらなのかを一度も確かめていませんでした。準備するための箱の話ばかりして、そこに入れる金額の根拠を持っていなかったわけです。

今回この記事を書くために文部科学省の「子供の学習費調査」を開いて、いちばん驚いたのがそこでした。公立高校の学校教育費のなかで最も大きい費目は通学関係費の9万7,634円で、授業料の4万5,272円の倍以上あります。さらに学校の外に出ると、塾などの補助学習費が年20.1万円あって、こちらのほうがもっと大きい。制度のニュースだけを追いかけていたら、たぶん一生気づかなかった数字でした。制度は調べるのに、値段は調べない。自分の癖がよく見えた回でした。

まず、名前からです。文部科学省は「高校無償化」を的確な表現ではないとしています

この制度の正式な名前は「高等学校等就学支援金」です。文部科学省の「高校生等への修学支援」のページには、次の一文が置かれています。

なお、いわゆる「高校無償化」と表現されることが多いですが、的確な表現としては、授業料を支援する「高等学校等就学支援金」です。

出典:文部科学省「高校生等への修学支援」

役所が、世の中で使われている呼び名を名指しで「的確ではない」と書くのは珍しいことです。それだけ「無償化」という言葉が誤解を生んでいるという判断だと読めます。

実際、支援の対象は授業料に限られています。法律の第7条には、支援金の受け取り方まで書かれています。

支給対象高等学校等の設置者は、受給権者に代わって就学支援金を受領し、その有する当該受給権者の授業料に係る債権の弁済に充てるものとする。

出典:高等学校等就学支援金の支給に関する法律 第7条(e-Gov法令検索)

この条文が言っていること

  • 支援金は学校が受け取ります(代理受領)
  • 受け取った学校は、それを授業料の支払いに充てます
  • つまり家庭の口座にお金が振り込まれるわけではありません

「無償化でお金がもらえる」と受け取ってしまうと、ここでずれます。家計から出ていくお金が授業料のぶんだけ減る、というのが正確な理解です。

⚠️ 学校によっては、支給が決まるまでの間はいったん授業料を集めて、あとから就学支援金の相当額を返す運用をしています。文部科学省のリーフレットにも「学校により、高等学校等就学支援金の支給決定までの間、授業料を徴収し、就学支援金相当額を後日還付する場合があります」と書かれています。入学直後にまとまった支払いが発生することがあるので、その前提で手元のお金を用意しておくと安心です。あわせて同じリーフレットには「なお、経済的に困難な家庭に対しては、授業料徴収の猶予措置等を利用できる場合もあります。詳細は学校へお問い合わせください」とも書かれています。4月の支払いが厳しいときは、まず学校に相談してみてください。

2026年4月の改正で、法律から「収入」が消え、「国籍・在留資格」が入りました

今回の改正は、令和8年法律第8号(高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律)によるものです。2026年3月31日に成立し、2026年4月1日に施行されました。

何が変わったのかは、条文を新旧で並べると一目で分かります。旧制度の法律には、支援金を支給しない人として、次の号がありました。

前二号に掲げる者のほか、前項に規定する者の保護者(学校教育法第十六条に規定する保護者をいう。)その他の同項に規定する者の就学に要する経費を負担すべき者として政令で定める者(以下「保護者等」という。)の収入の状況に照らして、就学支援金の支給により当該保護者等の経済的負担を軽減する必要があるとは認められない者として政令で定める者

出典:改正前の同法 第3条第2項第3号(e-Gov法令検索・2025年6月1日施行版)

この号が、2026年4月の改正でまるごと削除されました。実際に、改正前と改正後の法律の全文を機械的に数えてみると、こうなります。

法律の全文に出てくる語 改正前(〜2026年3月) 改正後(2026年4月〜)
収入 3回 0回
保護者 8回 0回
三十六月(在学期間の上限) 1回 1回(残っています)
国籍 0回 2回(新しく入りました)
在留資格 0回 1回(新しく入りました)

e-Gov法令検索のAPIで取得した改正前後の法律全文を、本サイトで数えたものです。

「収入」も「保護者」も、法律の本文から消えました。誰の収入がいくらかを、この制度はもう見ていないということです。

その一方で、改正前の法律には一度も出てこなかった「国籍」「在留資格」という言葉が、改正後は本文に入りました。改正前の第3条第1項は支給の対象を「高等学校等に在学する生徒又は学生で日本国内に住所を有する者」とだけ定めていましたが、改正後は「日本国籍を有する者、(中略)特別永住者又は(中略)永住者の在留資格をもって在留する者その他これに準ずる者として文部科学省令で定める者に限る。」というかっこ書きが加わっています。収入の線が消えた代わりに、国籍・在留資格の線が引かれたということです。

目的を定めた第1条にも、改正で新しい言葉が入りました。

高等学校等の生徒等がその経済的な状況にかかわらず当該高等学校等の授業料に充てるために高等学校等就学支援金の支給を受けることができることとする(後略)

出典:同法 第1条(2026年4月1日施行版・強調は本サイト)

金額の線引きも同時になくなりました。旧制度では、政令で「算定基準額が30万4,200円以上の人には支給しない」と決められていました。年収の目安でいうと910万円のあたりです。この規定も、改正後の政令からは消えています。

ここで出てくる「算定基準額」は、年収そのものではありません。保護者の住民税の所得割の額から計算する数字で、ニュースで見る「年収590万円」「年収910万円」はあくまでその目安として示されていたものです。同じ年収でも家族構成や控除の状況で判定が変わるのは、このためでした。

2026年4月、年収で引かれていた2本の線がなくなりました私立高校(全日制)の支給上限額の例。年収はあくまで目安で、実際の判定は住民税から計算する額で行われていました改正前(2026年3月まで)年収の目安 590万円未満39万6,000円年収の目安 590万〜910万円11万8,800円年収の目安 910万円以上支給なし改正後(2026年4月から)年収に関わらず45万7,200円【所得制限なし】※対象となる学校種・在留資格などの要件はあります※申請しないと支給されません※年収910万円以上は、公立でも支給がありませんでした出典:e-Gov法令検索「高等学校等就学支援金の支給に関する法律」および同施行令(改正前後の条文)、文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」(令和8年度)をもとに作成。公立高校の上限額は改正前後とも11万8,800円です。

⚠️ 「所得制限がなくなった」=「全員が対象になった」ではありません

収入の条件は消えましたが、対象となる学校の種類の要件は残っています。そのうえで、同じ改正で生徒本人の国籍・在留資格の要件が新しく加わりました。新制度の対象にならない生徒についても、旧制度と同等の水準で支援を受けられるしくみが用意されていますが、在留資格が「留学」の新入生など、対象外となる場合もあります。自分の家庭が対象かどうかは、学校からの案内で確認するのが確実です。

なお、この改正法の附則第5条には「政府は、この法律の施行後三年以内に、新法の規定について、その施行の状況等を勘案しつつ、高等学校等就学支援金の受給資格その他の支給の在り方等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」と定められています。文部科学省の資料にも「法施行後、3年以内の期間に十分な検証を行った上で、必要な制度の見直しを実施」とあります。3年ぶんの資金計画を立てるときは、途中で見直しがありうる前提で見ておくと安全です。

いくら出るのか|公立11万8,800円・私立45万7,200円が上限です

金額を決めているのは法律ではなく政令(高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行令)です。しかも政令に書かれているのは月額で、ニュースで見る年額はそれを12倍した数字です。

学校の種類 政令が定める月額 年額(月額×12)
公立高校(全日制) 9,900円 11万8,800円
私立高校(全日制) 3万8,100円 45万7,200円
私立高校(通信制) 2万8,100円 33万7,200円
国立高校(全日制) 9,600円 11万5,200円
公立高校(定時制) 2,700円 3万2,400円
公立高校(通信制) 520円 6,240円
高等専門学校(1〜3年・国公立) 1万9,550円 23万4,600円
特別支援学校の高等部(国公立) 400円 4,800円

出典:高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行令 第2条(e-Gov法令検索・2026年4月1日施行版)。年額は本サイトで月額を12倍して算出し、文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」の記載と一致することを確認しました。単位制の高校・専修学校は、在学中に支給される総額が137万1,600円を超えない範囲で計算されます(45万7,200円の3年ぶんにあたります)。私立の高等専門学校・特別支援学校高等部は、私立高校(全日制)と同じ月額3万8,100円(年45万7,200円)です。

⚠️ 公立を選ぶ家庭は、今回の改正で新しく減るお金が無いことも多いです

旧制度でも、年収の目安910万円未満の世帯には公立高校の授業料にあたる年11万8,800円が支給されていました。したがって2026年4月の改正で新しく対象になったのは、旧制度で年収910万円以上だった世帯です。金額が大きく動くのは、私立を選ぶ場合になります。

⚠️ 「45万7,200円がもらえる」ではありません

法律の第5条第1項は、支援金の額を「授業料の月額に相当する額」と定めていて、それが政令の額を超えるときにだけ政令の額(=支給限度額)になる、という書き方をしています。つまり授業料が上限より安い学校では、その授業料の額までしか出ません。差額が現金で戻ってくることはありません。

ふくお × ねこた
ねこた
ねこた

公立が11万8,800円で、私立が45万7,200円。ずいぶん差があるっすね。この45万7,200円って、どうやって決めた数字なんすか。キリが悪すぎるっす。

ふくお

いい引っかかり方だね。この数字には、はっきりした出どころがあるんだ。文部科学省の資料には「45万7200円(私立高校の平均授業料を勘案した水準)」と書かれている。しかも、そう書けるようになった理由が条文の中にあるんだよ。

ふくお
ねこた
ねこた

条文の中に? 金額って政令に書いてあるんじゃないんすか。

ふくお

金額そのものは政令だけど、その金額を何を見て決めるかは法律に書いてあるんだ。そこの一言が、今回の改正で静かに変わっている。次で見てみようか。

ふくお

その「45万7,200円」は、どこから来た数字か

支給限度額を何にもとづいて決めるかは、法律の第5条に書かれています。ここが改正の前後で変わりました。

版 条文
改正前
(第5条第3項)
第一項の支給限度額は、地方公共団体の設置する高等学校、中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部の授業料の月額その他の事情を勘案して定めるものとする。
改正後
(第5条第2項)
前項の支給限度額は、高等学校、中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部の授業料の月額その他の事情を勘案して定めるものとする。

出典:e-Gov法令検索(2025年6月1日施行版・2026年4月1日施行版)。強調は本サイト。

消えたのは「地方公共団体の設置する」という部分です。旧制度では、上限額の基準は公立高校の授業料でした。だから私立に通っていても基本の上限は公立と同じ11万8,800円で、そこに所得に応じた上乗せをする形をとっていたわけです。

改正後は、この限定が外れました。基準にできる「高等学校」に私立が入ったので、私立の平均授業料を勘案して上限を決められるようになったということです。文部科学省の資料の書きぶりは、この条文の変化と正確に対応しています。

45万7200円(私立高校の平均授業料を勘案した水準)

出典:文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」(令和8年度)

では、その「私立高校の平均授業料」はいくらなのか。文部科学省が2024年12月24日に公表した「令和6年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果」によると、私立高校(全日制)の初年度の平均は次のとおりです。

私立高校(全日制)初年度の平均 金額 就学支援金の対象
授業料 45万7,331円 対象(上限45万7,200円)
入学料 16万5,898円 対象外
施設整備費等 15万7,232円 対象外
計 78万460円 —

出典:文部科学省「令和6年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について」(令和6年12月24日公表)。各項目が平均額のため、内訳の単純合計(78万461円)と公表されている「計」は1円ずれます。

平均授業料45万7,331円に対して、支給上限は45万7,200円。その差は131円です。この制度は、平均的な私立高校の授業料をちょうど覆う高さに設計されているということになります。

私立高校の初年度でみると、支援が届くのはこの部分だけです授業料の平均は令和6年度調査、支給上限は令和8年度の額です(調査の年度が異なります)授業料45万7,331円入学料16万5,898円施設整備費等15万7,232円就学支援金の上限 45万7,200円(差は131円)支援の対象外 32万3,130円上限は「平均」に合わせた高さなので、平均より授業料が高い学校では、その差額が家計に残ります入学料と施設整備費等は授業料ではないため、最初から支援の対象に入っていません出典:文部科学省「令和6年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について」(令和6年12月24日公表)、同「高等学校等就学支援金・新制度の概要」(令和8年度)をもとに作成。各項目は平均額のため、内訳の合計と公表の「計」は1円ずれます。帯の長さは金額に比例させています。

⚠️ 「平均」に合わせた上限だということは、平均より授業料が高い学校を選べば、その差額はそのまま家計に残るということでもあります。志望校を比べるときは、募集要項の授業料が45万7,200円より上か下かを見ておくと、必要な自己資金がすぐ分かります。

それでも残るお金|授業料がゼロでも、公立で年55万1,682円・私立で年90万91円が出ていきます

ここからは「残るほう」の話です。文部科学省は2年に一度、「子供の学習費調査」で家庭が実際に支出した金額を調べています。最新は令和5年度の調査で、結果のポイントは令和8年1月16日に訂正版として公表されています。

高等学校(全日制)の1年・子ども1人あたりの学習費総額は、次のとおりでした。

高校1年でかかるお金のうち、支援が届くのは緑の部分だけです1年・子ども1人あたりの平均額。帯の長さは金額に比例させています公立高校(全日制) 合計 59万6,954円30万6,251円24万5,431円授業料 4万5,272円(学習費総額の7.6%)私立高校(全日制) 合計 117万9,261円授業料27万9,170円55万3,480円34万6,611円授業料(就学支援金の対象)授業料以外の学校教育費学校外活動費(塾・習い事など)出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査結果のポイント」(令和8年1月16日公表・訂正版)をもとに作成。「授業料以外の学校教育費」と学習費総額に対する割合(7.6%・23.7%)は、公表額から本サイトで算出しました。この調査は令和5年度=旧制度(所得制限あり)のもとでの実績です。

この金額は、前回の調査より増えています。同じ資料には「公立高等学校では約59万7千円(前回調査では約51万4千円)、私立高等学校では約117万9千円(前回調査では約105万5千円)となっている」と書かれています。教育にかかるお金は、インフレと同じように、放っておくと少しずつ上がっていく性質があるということです。

授業料がまるごとゼロになったとして、残りを計算するとこうなります。

  • 公立高校:59万6,954円 − 4万5,272円 = 年55万1,682円(月あたり約4万6,000円)
  • 私立高校:117万9,261円 − 27万9,170円 = 年90万91円(月あたり約7万5,000円)

「無償化」という言葉から想像する金額と、実際に家計から出ていく金額の差は、ここにあります。授業料は、高校でかかるお金の一部でしかありません。

⚠️ この学習費調査は令和5年度、つまり所得制限があった旧制度のもとでの実績です。公立の授業料4万5,272円という平均額には、旧制度で支援の対象外だった世帯の支出も含まれています。新制度のもとでは、この授業料の平均額は下がる方向に動くと考えられます。「授業料が学習費に占める割合」は新制度後の数字ではないという前提で読んでください。

授業料以外は、ぜんぶ支援の外です|いちばん大きいのは塾、次が通学

では、授業料以外の中身は何なのか。学校教育費の内訳を細かく見ると、公立でいちばん大きい費目は授業料ではありませんでした。

次の表のカッコ内は、学校教育費(塾代などを含まない、学校に払うお金)に対する割合です。記事の前半で使った7.6%・23.7%は、塾代まで含めた学習費総額に対する割合なので、分母が違います。

学校教育費の内訳(1年・平均) 公立高校 私立高校
通学関係費 9万7,634円(27.8%) 13万6,790円(16.4%)
図書・学用品・実習材料費等 6万2,284円(17.7%) 7万3,312円(8.8%)
教科外活動費 4万9,499円(14.1%) 6万3,440円(7.6%)
授業料 4万5,272円(12.9%) 27万9,170円(33.5%)
修学旅行費等 3万6,500円(10.4%) 6万2,778円(7.5%)
学校納付金等 3万5,630円(10.1%) 12万7,346円(15.3%)
入学金等 1万8,027円(5.1%) 8万290円(9.6%)
その他 6,677円(1.9%) 9,524円(1.1%)
学校教育費 合計 35万1,523円 83万2,650円

出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査結果のポイント」図4-2(令和8年1月16日公表・訂正版)。カッコ内は学校教育費に占める割合です。

公立高校の学校教育費のなかで最も大きい支出は通学関係費の9万7,634円で、27.8%を占めます。定期代や自転車、学校が遠ければ下宿代までここに入ります。就学支援金は授業料に充てるための制度なので、この費目には1円も届きません。

さらに、学校の外で使うお金があります。

  • 学校外活動費(塾・習い事・体験活動など):公立24万5,431円/私立34万6,611円
  • そのうち補助学習費(学習塾・通信教育など)が最も大きく、公立で年20.1万円・私立で年23.8万円です
  • 公立では、高校1年でかかるお金のなかでいちばん大きい単独の費目がこの補助学習費です(通学関係費9万7,634円の約2倍)。私立では授業料27万9,170円に次ぐ2番目の大きさです

※学校外活動費は同調査 表1の公表値です。補助学習費の内訳は同調査 図4-3によるもので、この図は万円単位で公表されています。

3年間に広げると、金額はこうなります。

高等学校(全日制)の学習費総額 公立 私立
1年あたり 59万6,954円 117万9,261円
3年間の合計 178万4,895円 352万1,361円

出典:同調査 表2「学校種別・公立私立別学習費総額合計の推移」の令和5年度欄より高等学校部分。3年間の合計は各学年の平均年額を合計したもので、「1年あたり」の額を単純に3倍した数字とは一致しません(学年ごとに金額が違うためです)。

⚠️ ここから引き算するときの注意

「3年間の合計から、就学支援金の上限3年ぶんを引けばいい」とはなりません。支援金は実際の授業料の額までしか出ないからです。公立の場合、調査での授業料の平均は年4万5,272円で、上限の11万8,800円よりずっと低くなっています。上限額と、実際に減る額は別物です。

見落とされやすい3つのルール|申請・さかのぼり・36か月

所得制限がなくなったことばかりが話題になりますが、法律には今も動いている条件が残っています。家計に直接ひびくのは、次の3つです。

① 申請しないと、1円も出ません

法律の第4条は、支援金を受けようとする人は学校を通じて都道府県知事(公立など地方公共団体が設置する学校の場合は都道府県教育委員会)に申請し、認定を受けなければならないと定めています。所得制限がなくなっても、この手続きは残っています。文部科学省のリーフレットにも「申請手続きが必要です」とはっきり書かれています。

申請はe-Shienというシステムからオンラインで行うのが基本です。学校からログインID通知書が配られるので、案内に従って手続きをします。

② 支給は「申請した月」から始まります

第6条第2項は、支給は申請した日の属する月から始めると定めています。うっかり出し忘れた月のぶんが、あとから自動でさかのぼって支給されるしくみにはなっていません。

例外は第6条第3項です。やむを得ない理由で申請できなかった場合に、その理由がやんだ後15日以内に申請すれば、さかのぼって扱われます。逆にいえば、うっかり忘れはこの例外に入りません。

③ 高校に通った期間が通算36か月を超えると、出なくなります

先に書いておくと、ふつうに3年間で卒業するなら、ちょうど収まります。気にする必要があるのは、留年や転校があったときです。

第3条第2項は、支援金を支給しない人を2つだけ挙げています。ひとつは卒業・修了した人、もうひとつが「高等学校等に在学した期間が通算して三十六月を超える者」です。この条文は改正後も残っています。

留年や転校で在学期間が4年目に入ると、そのぶんは支援の対象から外れます。ただし定時制・通信制のみに在学していた月は、政令で1か月の4分の3として数えることになっています。そのため定時制・通信制の支給期間は、文部科学省の資料でも最長48か月と示されています。また、休学して支給を停止した月は、この36か月の計算に入れないことも第8条第2項に書かれています。

✅ 家計側でやっておくこと

  • 入学時と進級時に、学校からの案内を必ず開く(申請の締め切りは学校・都道府県ごとに違います)
  • 支給決定までは授業料をいったん払う学校もあるので、4月に出ていくお金を多めに見ておく
  • 留年・転校の可能性が出てきたら、36か月の残りを学校に確認する

⚠️ 逆に、やらないほうがいいこと

  • 「所得制限がなくなったから自動で適用される」と思い込んで、案内を確認しない
  • 支援額を上限額のまま家計に織り込む(実際の授業料が上限より安ければ、そこまでしか出ません)
  • 「授業料が無料になるから」を理由に、通学費や塾代の見積もりを省いてしまう
✏️ ふくおの体験談

下がっていくグラフをノートパソコンで見ながら、困った顔をしているふくお

僕がお金でいちばん大きな失敗をしたのは2018年です。株、FX、仮想通貨に手を出して、130万円の損を確定させました。含み損ではなく、売って確定させた損です。

あのとき何がまずかったのかを、あとから何度も考えました。相場を読み違えたことではありません。名前と雰囲気だけで判断して、中身を一度も確かめなかったことです。「上がっているらしい」「みんなやっているらしい」で入って、その商品が何で値段が決まるのかを説明できないまま持っていました。

「無償化」という言葉は、当時の僕が飛びついた言葉とよく似ています。強くて、分かりやすくて、それ以上調べる気をなくさせる響きがあります。あのときの130万円を確かめずに買ったのと、制度の中身を確かめずに家計の計画を立てるのは、僕の中では同じ失敗です。今回は、条文と統計を先に開きました。それだけのことですが、それで見えた金額が55万1,682円と90万91円でした。

授業料以外を支えるお金もあります|高校生等奨学給付金

「授業料以外は全部自己負担なのか」というと、そうでもありません。高校生等奨学給付金という、返還不要の給付金があります。文部科学省のリーフレットには「教科書費、教材費など、授業料以外の教育費を支援する返還不要の給付金です」と書かれています。

こちらは所得の条件が残っていて、対象は生活保護世帯と住民税の所得割が非課税の世帯です。そして令和8年度から対象世帯が拡充されました。

令和8年度の給付額(年額・全日制等) 国公立 私立
生活保護世帯 3万2,300円 5万2,600円
住民税非課税世帯(年収の目安270万円未満) 14万3,700円 15万2,000円
年収の目安270万〜380万円(拡充) 4万7,900円 5万670円
年収の目安380万〜490万円(拡充) 3万5,930円 3万8,000円

出典:文部科学省「高校生等奨学給付金」リーフレット(令和8年度)。年収は、両親のうちどちらか一方が働き、高校生1人(16歳以上)と中学生1人の4人世帯を想定した目安です。判定は保護者等の住民税の所得割額で行われます。通信制はこれとは別の額が定められています。リーフレットには「生徒の国籍・在留資格等で対象となる世帯の範囲が異なります」とあり、拡充された年収270万〜490万円の区分は、日本国籍・特別永住者・永住者など一定の生徒がいる世帯が対象です。

⚠️ こちらは「別々に申し込み」が必要です

リーフレットには「授業料支援の高等学校等就学支援金とは別々に申し込みが必要です」と明記されています。就学支援金の手続きをしたから自動で給付される、ということはありません。申込先はお住まいの都道府県または学校です。

📅 締め切りで金額が変わります

  • 7月1日までに申請すると、年額を給付
  • 7月2日以降に申請すると、年額を月割りにした額を給付

※家計が急変して所得の条件に当てはまるようになった場合も対象になります。急変事由が起きたら、速やかに都道府県または学校へ相談することとされています。都道府県によって実施状況や必要書類が異なります。

制度が二段構えになっていること自体が、「授業料だけでは足りない」という前提で作られていることの証拠だと思います。

浮いたぶんの「置き場所」を、先に決めておく

ここまでの数字をまとめると、家計の見通しはこうなります。

  • 減る場所:授業料。私立なら年45万7,200円まで、公立なら年11万8,800円まで(実際の授業料の額が上限)
  • 残る場所:通学関係費、塾、教材、修学旅行、学校納付金、入学料、施設整備費等
  • 残る金額の目安:授業料がゼロになったとして、公立で年55万1,682円、私立で年90万91円

ここで気をつけたいのが、授業料が減ったぶんは、放っておくと生活費に溶けることです。毎月の口座の残高が少し増えるだけなので、増えたことにすら気づかないまま1年が過ぎます。昇給したのにお金が残らないのと、まったく同じ構造です。

だから、減ると分かった時点で置き場所を決めておきます。順番はこの3つでいいと思います。

1. まず、生活防衛資金がそろっているか

高校生がいる時期は、家計の支出がいちばん重くなる時期と重なります。ここで働けなくなると影響が大きいので、生活防衛資金が生活費の3か月から6か月ぶんあるかを先に見ておきます。足りていなければ、浮いたぶんはそのまま生活防衛資金に回します。

2. 次に、高校で確実に出ていくお金の口座を分ける

通学定期、教材、部活、修学旅行。時期は違っても金額はだいたい読めます。お金の置き場所を3つに分けるやり方で、「もしも」とは別に「高校のお金」の置き場所を作っておくと、支払いのたびに生活費から削らずに済みます。

この作業は固定費の見直しとも相性がいいです。授業料が減った月に、通信費や保険といった固定費も一緒に見ておくと、家計の余白を2か所から作れます。塾代や部活の費用のような変動費は、先に上限を決めておくほうが揉めません。

3. そのうえで、まだ余るなら「未来」へ

1と2が埋まって、それでも余るぶんがあれば、そこは高校の先に向けたお金になります。大学の費用や、家庭の老後資金です。NISAのつみたて投資枠で毎月積立投資をするなら、長期で置いておける性質のお金かどうかを確かめてからにします。毎月同じ額を買い続けるドルコスト平均法は、時間をかけられるお金にこそ向いたやり方です。ここでいうNISAは非課税で投資ができる制度(箱)のことで、買う中身はインデックスファンドなどの投資信託になります。

⚠️ 数年以内に確実に使うお金を投資に回すのは避けたほうが安全です。元本割れの可能性があるお金と、期日が決まっているお金は相性が悪いからです。高校3年間で出ていくと分かっているお金は、現金のまま置いておくのがいちばん確実です。複利が効くのは時間を味方にできるお金だけで、3年後に使うお金には効きません。なおNISAで買う投資信託には元本割れの可能性があり、将来の運用成果を保証するものではありません。この記事は情報提供が目的で、特定の商品をすすめるものではなく、最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。

ちなみに、教育資金そのものを非課税の制度で準備する話はこどもNISAの記事にまとめています。2027年に始まる予定の制度なので、いま高校生がいる家庭より、これから小学校・中学校という家庭のほうが使いやすい制度です。

ふくお × ねこた
ねこた
ねこた

数字を見ると、けっこうずしっとくるっすね。姉に「無償化だから安心」って言われたとき、そのまま流さなくてよかったっす。でも、逆に言うと45万円は本当に減るんすよね?

ふくお

減るよ。そこは間違いなく大きい。旧制度だと、年収910万円を超えると私立でも支給ゼロだったから、その家庭にとっては年45万7,200円を上限に、授業料のぶんが新しく減ることになる。年収590万円未満だった家庭でも、39万6,000円から45万7,200円に上がっているから、年6万1,200円ぶん広がっているんだ。

ふくお
ねこた
ねこた

おお、ちゃんと良い話もあるじゃないっすか。じゃあ姉には何て言えばいいんすかね。「無償化じゃないぞ」だけだと感じ悪いっす。

ふくお

「授業料は減るよ。だから、その減ったぶんの行き先を先に決めておこう」でいいと思うよ。否定じゃなくて、次の一手を渡す言い方だね。減ったぶんが行方不明にならなければ、通学定期も塾代も、あわてずに払える。

ふくお
ねこた
ねこた

今日やることを1つだけ挙げるなら、何っすか。

ふくお

志望校の募集要項で、授業料の金額を見ることだね。45万7,200円より上か下かで、家計に残る金額が決まる。ニュースの見出しより、その1行のほうがずっと自分の家の話に近いよ。

ふくお

まとめ|「無償化」は、減る場所が決まった制度です

2026年4月の改正は、はっきり大きな変化でした。法律から「収入」と「保護者」という言葉が消えて、年収で引かれていた2本の線がなくなりました。私立の上限も45万7,200円まで上がりました。

それでも、この制度が触っているのは授業料という1つの費目だけです。高校でかかるお金(学習費総額)のうち、公立で7.6%、私立で23.7%。残りは今までどおり家計から出ていきます。文部科学省が「的確な表現としては、授業料を支援する『高等学校等就学支援金』です」とわざわざ書いているのは、たぶんそういうことだと思います。

  • 無料になるのは授業料だけ。文部科学省自身が「高校無償化」を的確な表現ではないとしています
  • 2026年4月から所得制限は撤廃(法律の本文から「収入」も「保護者」も消えました)。同じ改正で国籍・在留資格の要件が新しく加わっています。上限は公立11万8,800円・私立45万7,200円
  • 私立の上限45万7,200円は平均授業料45万7,331円に合わせた高さ。差は131円で、入学料と施設整備費等(初年度平均32万3,130円)は対象外
  • 授業料がゼロになっても、公立で年55万1,682円、私立で年90万91円が残ります
  • 申請しないと出ません。支給は申請した月から始まり、在学期間は通算36か月まで(定時制・通信制のみに在学した月は1か月の4分の3として数えるので、最長48か月)です
  • 志望校の募集要項で、授業料が45万7,200円より上か下かを確かめる
  • 学校から届く就学支援金の案内を開いて、申請の締め切りをカレンダーに書く
  • 住民税非課税や年収490万円未満に当てはまりそうなら、高校生等奨学給付金を都道府県か学校に問い合わせる(7月1日が区切りです)
  • 授業料が減るぶんの置き場所を先に決める。迷ったら お金の置き場所は3つでいい を読み返す

🎒 教育資金を非課税の制度で準備する話は、こちらにまとめています

こどもNISAとは?2027年開始予定をやさしく解説対象年齢・上限額・ジュニアNISAとの違い・贈与の注意点まで

🏦 減ったぶんが生活費に溶けないようにするなら

お金の置き場所は3つでいい|口座分けで自然と貯まる「生活費・もしも・未来」に分けるだけの、続けやすいやり方

※この記事は情報提供を目的としたもので、進学先の選択や特定の金融商品をすすめるものではありません。

よくある質問(FAQ)

Q. 高校は、本当に無料になったのですか?

A. 無料になったのは授業料の部分です。文部科学省は「いわゆる『高校無償化』と表現されることが多いですが、的確な表現としては、授業料を支援する『高等学校等就学支援金』です」と書いています。通学費・教材費・修学旅行費などは、これまでどおり家庭が負担します。

Q. 私立高校なら、45万7,200円がもらえるのですか?

A. 家庭にお金が振り込まれるわけではありません。法律の第7条により、学校が受給権者に代わって受け取り、授業料の支払いに充てます。また金額は「授業料の月額に相当する額」が基本で、45万7,200円はその上限です。授業料が上限より安い学校では、その授業料の額までしか出ません。

Q. 所得制限がなくなったのなら、手続きは要らないのですか?

A. 申請は必要です。法律の第4条は、学校を通じて都道府県知事(公立など地方公共団体が設置する学校の場合は都道府県教育委員会)に申請し、認定を受けなければならないと定めています。文部科学省のリーフレットにも「申請手続きが必要です。支援を希望される方は、学校からの案内に従って、申請手続きを行ってください」と書かれています。申請はe-Shienからのオンライン申請が基本です。

Q. 申請を忘れた月のぶんは、あとからもらえますか?

A. 原則としてさかのぼりません。法律の第6条第2項は、支給は申請した日の属する月から始めると定めています。例外は同条第3項で、やむを得ない理由で申請できなかった場合に、その理由がやんだ後15日以内に申請したときに限られます。

Q. 入学金や施設整備費も、無償になりますか?

A. 対象外です。就学支援金は授業料に充てるための制度です。私立高校(全日制)の初年度の平均でみると、入学料16万5,898円と施設整備費等15万7,232円の合計32万3,130円は、支援の対象に入っていません。

Q. 授業料が45万7,200円より高い学校を選んだら、どうなりますか?

A. 超えた分は家庭の負担になります。45万7,200円は「私立高校の平均授業料を勘案した水準」として設定された上限です。令和6年度調査の私立平均授業料は45万7,331円で、上限との差は131円でした。平均より授業料の高い学校では、その差額が残ります。

Q. 留年した場合、支援はどうなりますか?

A. 在学期間が通算36か月を超えた月からは支給されません。法律の第3条第2項第2号に定められていて、この規定は改正後も残っています。ただし定時制・通信制のみに在学していた月は1か月の4分の3として計算され、休学して支給を停止した月はこの期間に含めないことになっています。個別の扱いは学校に確認してください。

Q. 通信制の高校でも対象になりますか?

A. 対象になりますが、上限額が異なります。私立の通信制課程は年33万7,200円、公立の通信制課程は年6,240円が上限です。単位数に応じて授業料を定める学校では、在学中に支給される総額が137万1,600円を超えない範囲で計算されます。自分の通う学校が対象の学校種にあたるかは、学校に確認するのが確実です。

Q. 授業料以外を支えてくれる制度はありませんか?

A. 高校生等奨学給付金があります。教科書費・教材費など授業料以外の教育費を支援する、返還不要の給付金です。令和8年度から対象が拡充され、年収の目安270万〜380万円と380万〜490万円の世帯が新たに加わりました。就学支援金とは別々に申し込みが必要で、7月1日までの申請なら年額、7月2日以降は月割りになります。

Q. 結局、高校3年間でいくら用意しておけばいいですか?

A. 令和5年度の調査では、3年間の学習費総額の平均は公立178万4,895円・私立352万1,361円でした。ここから授業料のぶんが減るイメージになります。ただしこれは旧制度下の平均額で、通学距離や部活動、塾に通うかどうかで大きく変わります。金額そのものより、「授業料以外はほぼそのまま残る」という形をつかんでおくほうが役に立つと思います。

※本記事は情報提供を目的としており、特定商品の購入推奨や進学先の選択をすすめるものではありません。記事中の制度内容・金額は2026年9月時点のもので、最新の内容は文部科学省・e-Gov法令検索の公式情報でご確認ください。申請の締め切りや必要書類、高校生等奨学給付金の実施状況は学校および都道府県によって異なります。個別の手続きは、在学する学校またはお住まいの都道府県へお問い合わせください。本記事は将来の運用成果を保証するものではなく、投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。住民税の所得割額など税の個別の取り扱いは、お住まいの市区町村の窓口または税務署・税理士にご確認ください。
詳細は 免責事項 をご確認ください。

最終更新日:2026年9月18日

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