積立を始めて数年。残高は増えている。それはうれしいのに、「このままでいいんだろうか」という気持ちがときどき顔を出す。そんなときに目に入るのが「リバランス」という言葉だと思います。
調べてみると、年に1回やるものだと書いてある記事もあれば、やらなくていいと書いてある記事もある。どちらが正しいのか分からないまま、「たぶん自分はサボっている」という気分だけが残ります。
先に結論を書きます。投資信託を1本だけ持っているなら、リバランスは自分の作業ではありません。その調整はファンドの中ですでに行われていて、運用会社の書類にもそう書いてあります。自分の作業になるのは、複数の商品を自分で組み合わせて持っている人だけです。
この記事では、①リバランスとは何を直す作業なのか ②1本だけならなぜ不要なのか ③それでも直したいときの順番——を、運用報告書とGPIF(公的年金を運用している機関)の実際の数字で確かめていきます。相場の予想はしません。今日の値動きに関係なく使える話だけを書きます。
- 「リバランス」という言葉は知っているけれど、自分がやるべきかどうか分からない
- 気づいたら投資信託が3本、4本になっていて、整理したほうがいい気がしている
- 直したいけれど、売ると損が確定しそうで手が止まる
- 「ほったらかしでいい」と言われても、それはそれで落ち着かない
- プロは毎日こまめに調整しているのだろう、と思っている
→ ひとつでも当てはまったら、この記事が「やることがあるのか、ないのか」をはっきりさせるお手伝いをします。
- リバランスが「増やす作業」ではなく「戻す作業」だという、いちばん基本のところ
- 投資信託を1本だけ持っている人に作業がない理由(運用報告書に書かれていること)
- 「均等型」でも1年たつと実際にどれくらいズレるのか——2026年4月時点の実物の数字
- GPIFが決めている「ズレていい幅」と、頻繁に直さない理由
- 直すときの順番と、NISA口座で売ったときに枠がどうなるか
ふくおさん、ネットで「リバランス」って言葉を見かけたんすけど、あれって自分もやらないといけないやつっすか?
いい質問だね。先に結論を言うと、いま投資信託を1本しか持っていないなら、ねこたさんの作業はないんだ。
え、やらなくていいんすか。年に1回くらい調整しないと損するもんだと思ってたっす。
損する・しないの話じゃないんだ。リバランスは「増やすための作業」じゃなくて、決めた割合から離れすぎないようにする作業。だから、そもそも割合を自分で決めていない人には出番がないんだよ。
じゃあ、誰がやる作業なんすか。
自分で複数の商品を組み合わせて持っている人だね。たとえばオルカンとS&P500を両方持っている、という場合。1本にまとまっているなら、その調整はファンドの中でもう行われているんだ。今日はそれを、運用会社の書類とGPIFの数字で確かめてみようか。

2018年、僕は持っているものをしょっちゅう入れ替えていました。上がったものを買い足し、下がったものを外して別のものに乗り換える。表を作って見比べて、半年もすると顔ぶれが総入れ替えになっている、という状態です。
当時の僕は、それを「調整している」と思っていました。ちゃんと管理している、賢く動いている、という感覚です。結果として残ったのは130万円の損でした。
あとから気づいたのは、僕がやっていたのは調整ではなく値動きの後追いだったということです。上がったから買う、下がったから売る。これは、割合を保つ作業とはむしろ逆の動きでした。そもそも僕には、保つべき割合そのものがありませんでした。
リバランスは「増やす作業」ではなく「戻す作業」です
まず言葉の中身をそろえます。リバランスとは、あらかじめ決めておいた資産配分が値動きでズレてきたときに、元の割合に戻すことです。「株式60%・債券40%で持つ」と決めていたのに、株式が上がって70%・30%になった。だから元に戻す——これがリバランスです。
ここで大事なのは、ズレるのは失敗ではないということです。値動きのあるものを持っている以上、割合が動くのは避けられません。ズレは、うまくいっている証拠でも失敗の証拠でもなく、ただの結果です。
どのくらいズレるのか。ちょうどいい実物があります。「8資産均等型」という、名前のとおり8つの資産を12.5%ずつ持つ設計の投資信託です。設計上は全部12.5%。では1年後の実際はどうだったか。
図:設計上は各12.5%の「8資産均等型」でも、1年たった期末時点では11.3%〜12.9%まで開きます(「リート」は不動産に投資する商品です)。※商品名は、仕組みを確かめるための実例です。特定のファンドの購入をすすめるものではありません。
いちばん低い国内債券が11.3%、いちばん高い先進国株式が12.9%。設計の12.5%から、1.2ポイントほど下、0.4ポイントほど上まで開いています。国内債券だけが目立って低いのは、この1年の値動き(騰落率)が−6.1%とマイナスだったからです。値下がりした資産は、持っている金額そのものが減るので、全体に占める割合も小さくなります。
⚠️ 「ズレている=ほったらかしにされている」ではありません
上の数字は、放置された結果ではなく調整しながら運用した1年の期末時点の姿です。市場は毎日動くので、どれだけ丁寧に運用しても、ある一日を切り取れば必ず端数のズレが出ます。「ぴったり12.5%になっていないから失敗」という読み方はしません。
※8本の合計は99.1%です。残りは現金等で、これも運用上ふつうに生じるものです。
投資信託を1本だけ持っているなら、その調整はファンドの中で行われています
では、そのズレを誰が直しているのか。ここが今日いちばん伝えたいところです。1本の投資信託の中の割合を保つのは、買った人ではなくファンドの仕事です。
推測ではありません。運用会社が定期的に出している「交付運用報告書」に、そのまま書いてあります。
まず、全世界株式に投資するタイプの中身を見てみます。1本に見えても、中ではマザーファンド(実際に株式などを買っている親ファンド)が3つに分かれています。
図:全世界株式に投資するタイプの中身。1本に見えても、中では3つのマザーファンド(実際に株式などを買っている親ファンド)に分かれています。※商品名は、仕組みを確かめるための実例です。特定のファンドの購入をすすめるものではありません。同じ設計のファンドは他の運用会社にもあり、ここでは運用報告書が公開されていて確かめやすいものを例に使っています。
この報告書の「今後の運用方針」には、こう書かれています。「資産配分方針は、従前通り基本投資割合を維持します。また、各資産の組入比率は、期間を通じて同比率に準ずるよう調整を行います」。
さきほどの8資産均等型のほうにも、同じ趣旨の記述があります。「当期間の資産配分は、(中略)実質的な基本投資割合は、純資産総額に対してそれぞれ12.5%となるように調整を行いました」(純資産総額=そのファンドが預かっているお金の合計です)。
つまり、「決めた割合からズレたら戻す」という作業が、ファンドの運用そのものに組み込まれているということです。1本しか持っていない人がやることは、ここには残っていません。
※この「今後の運用方針」は、運用報告書に「作成対象期間末での見解です」と明記されているものです。将来にわたって同じ方針が約束されているわけではありません。
ついでにもうひとつ。この全世界株式タイプの第8期の分配金は合計0円でした。運用報告書の分配方針も「信託財産の成長を優先し、原則として分配を抑制する」となっていて、直近5期(第4期〜第8期)はいずれも0円です。受け取った分配金を自分で買い直す、という手間も、いまのところ発生していません。
⚠️ 「1本=安全」という意味ではありません
リバランスの手間がないことと、値動きが小さいことは別の話です。全世界株式のタイプは、中身のほぼすべてが株式です。世界中に広く分散されてはいますが、株式市場が大きく下がる局面では元本割れもします。「作業がいらない」を「リスクがない」と読み替えないようにしてください。
1本だけの人がやることがあるとすれば、その1本が何に投資しているのかを一度確認しておくことのほうです。
あわせて、1本にまとまっているぶん、「債券をもう少し増やしたい」と思っても自分では割合を動かせません。配分を自分で決めたい人にとっては、そこが1本の弱いところです。
ほんとに書いてあるんすね。じゃあ自分、ほんとに何もしなくていいってことっすか?
1本だけならそうだよ。むしろ「何もしないことが仕事」くらいの感覚でいいんだ。
でも「ほったらかしでいい」って言われると、それはそれで不安になるっす。ほんとにプロもそんな感じなんすか?
そこが気になるよね。じゃあ、日本でいちばん大きな年金のお金を運用しているところが、どのくらいの「ズレ」を許しているのかを見てみようか。「何もしない」の中身が、少し具体的になると思うよ。
プロは「ズレたら直す」ではなく「ズレていい幅」を決めています
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、公的年金の積立金を運用している機関です。個人とは規模も目的も違いますが、決めた割合をどう扱っているかという考え方は、ヒントになります。
2025年4月1日から適用されている割当ては、国内債券・外国債券・国内株式・外国株式を25%ずつ。そしてここが本題なのですが、それぞれに「乖離許容幅」=ズレていい幅が決められています。
図:GPIFは25%ずつという割合と同時に、「ここまでのズレは許す」という幅も先に決めています。
国内債券は±6%、外国債券は±5%、国内株式と外国株式はそれぞれ±6%。さらに「債券全体」「株式全体」でも±9%の幅があります。国内債券なら19%〜31%の範囲は許容、ということです。GPIF自身も、前回決めたときより幅を小さくしたと説明しています。これでも以前より狭い幅です。
なぜ幅を持たせるのか。GPIFはその理由もはっきり書いています。
「長期的な運用においては、短期的な市場の動向により資産構成割合を変更するよりも、基本となる資産構成割合を決めて長期間維持していくほうが、効率的で良い結果をもたらすことが知られています」
——GPIF「基本ポートフォリオの考え方」より
もうひとつ、GPIFは分散投資の効果についてこう書いています。「4資産に25%ずつ投資したポートフォリオでは、1位になることはなかったものの、5位になることもありませんでした」。順位表の一番上を取りにいくのではなく、一番下に落ちない形を保つ。それが割合を決めて維持するということです。
⚠️ 直す作業には費用がかかります(GPIFの資料にも注記があります)
上の「4資産に25%ずつ」のシミュレーションには、GPIF自身が「税金、及びリバランスに係る費用等の取引コストは考慮していません」という注記を付けています。つまり、実際に売り買いして直す場合は、その分の費用や税金が別にかかるということです。
回数が多いほど良い作業ではありません。「毎月きっちり戻す」ことを目標にすると、手間もコストも増えていきます。
なお、GPIFは同じページに「過去のパフォーマンスは将来のリターンを保証するものではありません」とも注記しています。
それでも直したいときの、順番
ここまでは「1本ならやることがない」という話でした。では、すでに2本、3本と持っている場合はどうするか。
先に書いておくと、本数が多いこと自体は失敗ではありません。自分で割合を決められるのは、複数を組み合わせて持っている人だけの強みです。減らす必要も、1本にまとめ直す必要もありません。そのうえで、直したくなったときの直し方は大きく2つあり、順番があります。
図:割合の直し方は2つ。売らずにこれから買う分で直す①が先、売って買い直す②はそのあとです。※ここは2本以上を自分で組み合わせて持っている人の話です。1本だけなら、この作業はありません。
① まず「これから買う分」の配分を変える
いちばん手を動かさずに済む方法です。持っているものは売らず、毎月の積立で買う割合だけを変えます。増えすぎたほうの購入額を減らし、少ないほうを増やす。時間はかかりますが、売らないので税金もかからず、売って買い直す方法のようにNISAの枠を二重に使うこともありません(これから買う分には、これまでどおり年間投資枠を使います)。
設定は、多くの金融機関ではウェブの管理画面から変更できます。積立の配分を変える手続き自体に手数料をとる会社は一般的ではありませんが、変更後に買う商品によっては購入時手数料がかかることもあるので、条件は使っている金融機関でご確認ください。「売らずに直す」ので、ノーセルリバランスと呼ばれることもあります。
①をすすめる理由が、もうひとつあります。この方法なら、いま含み損になっているものを売らずに済むからです。「直したいけれど、売ったら損が確定してしまう」——ここで手が止まる人は多いと思います。でも、割合を戻すのに売却は必須ではありません。買う側だけを動かせば、時間はかかっても同じ場所に近づいていきます。手が止まっているなら、止まったままで進められる方法がある、ということです。
② 売って買い直すなら、枠の扱いを先に知っておく
どうしても今すぐ割合を変えたい場合は、持っている分を売って買い直すことになります。このとき、NISA口座では枠の扱いに注意が必要です。金融庁はこう説明しています。
「(2024年からのNISAでは)商品を売却した場合、翌年以降売却した商品の簿価(取得金額)の分だけ非課税投資枠が復活し、再利用が可能になります」
——金融庁 NISA特設ウェブサイト「NISAを知る」より
読み替えると、こういうことです。NISAの「枠」には2種類あります。生涯で持てる上限(非課税保有限度額1,800万円)と、1年間に買える上限(年間投資枠360万円=つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)です。売って戻ってくるのは前者だけで、しかも戻るのは翌年。一方、買い直しにはその年の年間投資枠を使い、こちらは売っても戻りません。つまり売って買い直すリバランスは、今年の360万円をその分だけ先に使ってしまう動きになります。
NISA口座ではなく課税口座(特定口座など)で持っている場合は、売って利益が出ていれば、その利益に約20%(復興特別所得税を含めて20.315%)の税金がかかります。
補足|②をやるなら、企業型DC・iDeCoの中が向いています(原則60歳まで引き出せません)
企業型DC(企業型確定拠出年金)やiDeCoの中では、持っている商品を売って別の商品に買い替えても、その時点では課税されません。これを「スイッチング」と呼びます。
NISA口座でも売った利益に税金はかかりませんが、NISAは売って買い直すと今年の年間投資枠を使い直すことになります。企業型DC・iDeCoにはその枠の制約がないので、売買で直したいならこの箱がいちばん向いています。
ただし、この箱に入れたお金は原則60歳まで引き出せません。そこは変わらないので、「税金がかからないから」だけで判断はしないでください。仕組みの詳しい話は 会社の企業型DC、中身は自分で選べます にまとめています。
⚠️ 逆に、やらないほうがいい3つ
- 下がっているものを売って、上がっているものに乗り換える——これはリバランスの逆向きの動きです。割合を戻すという発想からは出てきません。
- 直すために手元の現金に手をつける——買い増しで割合を調整する場合でも、生活費や生活防衛資金から出すのは順番が違います。
- これから本数を増やして、分散したつもりになる——中身が重なっている商品を何本買っても、分散は進みません。すでに持っている分を責める話ではなく、次の1本を足すときの目安です。

2020年3月、コロナショックで口座は50万円の含み損になりました。2018年の僕なら、間違いなく入れ替えていたと思います。下がったものを外して、傷の浅いものに乗り換える。そういう動き方しか知らなかったので。
そのときは、何もしませんでした。売らずにそのまま積立を続けて、そこから回復していきました。動かさなかったことが結果につながった、という経験です。
ただ、これはあくまで僕ひとりの、あの時期の結果にすぎません。下がった相場が必ず回復するとはかぎらず、持ち続けても元本割れのまま終わることもあります。「売らなければ戻る」という話ではないことは、先に書いておきます。
いまは月10万円を積み立てていますが、割合を直す作業を僕はしていません。面倒だからではなくて、持っているものが1本の中で調整される形になっているので、僕の側にやることが残っていないからです。何もしていないのではなく、「やることがない状態」を選んだ、という感覚に近いです。資産配分を触らない日々のほうが、僕にはずっと続けやすくなりました。
自分、いまインデックスファンドを1本だけ積み立ててるんすけど、それだと本当に出番なしなんすね。
そうだよ。強いて言えば、年に一度くらい残高の画面を開いて、中身が思っていたものとズレていないか見るだけで十分なんだ。
もし2本目、3本目を買いたくなったらどうするっすか。
そのときは、増やす前に「何のために足すのか」を先に言葉にしておくといいよ。理由が言えないまま増えた分が、あとで「直したくなるもの」の正体だったりするからね。
なるほどっす。何もしないのがサボりじゃないって分かっただけで、だいぶ気が楽になったっす。
そこに気づけたのが、今日いちばん大きいところだね。作業を増やすより、揺れる気持ちを減らすほうが、結局は長く続くんだ。
まとめ|直す作業の前に、まず「何本持っているか」を数える
リバランスは、投資をしている人が全員やるべき作業ではありません。決めた割合がある人のための作業です。1本だけを積み立てているなら、その割合はファンドの中で保たれていて、運用会社の書類にもそう明記されています。
そして、割合がズレること自体は失敗ではありません。日本でいちばん大きな年金のお金を運用しているGPIFですら、±5〜9%という幅を先に決めて、その中は許しています。ぴったりに保つことが目的ではないからです。
直したくなったときも、いきなり売る必要はありません。まずは、これから買う分の配分から。順番さえ間違えなければ、この作業はとても静かなものです。
- リバランスは「増やす作業」ではなく、決めた割合から離れすぎないように戻す作業
- 投資信託を1本だけ持っているなら、その調整はファンドの中で行われている(交付運用報告書に明記)
- 値動きがある以上、割合はズレる。GPIFも±5〜9%の「ズレていい幅」を先に決めている
- 直すならまず「これから買う分」の配分から。売って直すと、NISAでは今年の年間投資枠(360万円)を使い、売った分が生涯枠に戻るのは翌年
- 売買しても税金と枠の両方を気にしなくていいのは企業型DC・iDeCoの中(ただし原則60歳まで引き出せない)。NISAも売却益は非課税だが、買い直しには今年の枠を使う
- 保有商品の一覧を開いて、何本持っているかを数える(1本なら、ここで終わりです)
- 2本以上あるなら、それぞれが何%になっているかをメモしておく(直すかどうかは、そのあとで決めれば大丈夫)
- 積立の配分は、多くの金融機関ではウェブの管理画面から変更できる(手数料や締切日は各社の規定を確認)
- そもそもの考え方が気になったら 「長期・積立・分散」は呪文じゃない を読み返す
📱 積立の配分を変えるのは、口座の管理画面から手続きできます。これから積立を始めるなら(口座開設料・口座管理料は0円です)
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※この記事は特定の投資信託・金融商品の売買を推奨するものではありません。記事中のファンド名は、「1本の中で配分が調整されている」という仕組みを確かめるための実例として挙げたもので、購入をすすめる意図はありません。投資信託には元本割れの可能性があり、将来の運用成果を保証するものではありません。「0円」は口座開設料・口座管理料についてのもので、取引手数料や投資信託の信託報酬など、商品・取引に応じた費用は別途かかります。投資に回す前に確かめたいのは、手元の現金と生活防衛資金のほうです。各社のサービス内容・条件は2026年8月時点のもので、最新の内容は各社公式サイトでご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q. リバランスは年に1回やったほうがいい、と聞きました。
A. それは「保つべき割合を自分で決めている人」の話です。投資信託を1本だけ持っているなら、その割合はファンドの中で調整されているので、頻度を決める必要はありません。なお、GPIFの分散投資のシミュレーションにも「税金、及びリバランスに係る費用等の取引コストは考慮していません」という注記があります。回数を増やせば、その分の費用や税金がかかるということです。頻度を決めるより先に、何本持っているかを数えてみてください。
Q. オルカンとS&P500を両方持っています。どうすればいいですか?
A. まず、それぞれがいま何%になっているかを数えるところからで大丈夫です。この記事ではどちらが良いかは判断しません。中身が一部重なっている組み合わせなので、「割合を厳密に保つ」ことにあまり意味を感じないなら、そのままにしておくという考え方もあります(どうするかはご自身の方針とリスク許容度しだいで、最終的な判断はご自身でお願いします)。直したい場合は、売らずにこれから買う分の配分を変えるのが静かなやり方です。2本の関係については オルカンとS&P500の比較記事 もあわせてどうぞ。
Q. 「ノーセルリバランス」とは何ですか?
A. 持っているものを売らずに、これから買う分の配分だけで割合を戻していく方法の通称です(正式な制度名ではありません)。元に戻るまでに時間はかかりますが、売らないので税金がかからず、売って買い直す場合のように枠を二重に使うこともありません(これから買う分には、これまでどおり年間投資枠を使います)。積立を続けている人にとっては、いちばん負担の少ない直し方です。
Q. NISA口座で売ると、枠はどうなりますか?
A. 金融庁は「(2024年からのNISAでは)商品を売却した場合、翌年以降売却した商品の簿価(取得金額)の分だけ非課税投資枠が復活し、再利用が可能になります」と説明しています。戻るのは翌年で、戻る金額は売却額ではなく買ったときの金額です。なお、戻るのは「生涯で持てる上限(1,800万円)」のほうで、その年の年間投資枠(360万円)は売っても戻りません。売った直後に同じ年で買い直すと、その買い直しは今年の年間投資枠(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)を使うことになります。枠の考え方は つみたて投資枠と成長投資枠の違い にまとめています。
Q. バランス型を1本持っています。それでも割合はズレますか?
A. ズレます。この記事で見たとおり、8資産を12.5%ずつ持つ設計のファンドでも、2026年4月時点で実際にどれをどれだけ持っていたか(組入比率)は11.3%〜12.9%でした。ただし、それを12.5%に近づけるのはファンドの側の仕事で、運用報告書にも「それぞれ12.5%となるように調整を行いました」と書かれています。持っている人が、その比率を戻す作業をする必要はありません。ただし比率が保たれることと、値動きがないことは別の話で、元本割れの可能性はあります。
Q. 企業型DCやiDeCoの中でも同じ考え方ですか?
A. 「1本なら中で調整されている」という点は同じです。違うのは売買したときの税金で、企業型DCやiDeCoの中では商品を売って買い替えても、その時点では課税されません(スイッチング)。割合を売買で直したいなら、この箱が向いています。ただし原則60歳まで引き出せない点は変わりません。詳しくは 会社の企業型DC、中身は自分で選べます をご覧ください。
Q. 何本まで持っていいものですか?
A. 「何本まで」という正解はありません。ただ、本数が増えるほど、割合を保つ作業は自分の側に寄ってきます。増やすかどうかを決めるときは、「この1本を足すと、自分は何を管理することになるのか」を先に確かめてみてください。選び方そのものは 投資信託の選び方 にまとめています。
📎 参考にした主な公的情報・一次情報
※本記事は情報提供を目的としており、特定商品の購入推奨ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
詳細は 免責事項 をご確認ください。
最終更新日:2026年8月31日













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