会社の企業型DC、中身は自分で選べます|選ばないと「選んだこと」になる仕組み

増やす・NISA

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給与明細や、年に一度届く通知に「確定拠出年金」という言葉がある。会社がやってくれている老後のお金——そう思ったまま、中身を一度も見ていない。そういう人はとても多いと思います。

企業型DC(企業型確定拠出年金)の加入者は、2025年3月末で862万人。掛金を出しているのは会社ですが、そのお金を何で運用するかを決めるのは、会社ではなく自分です。

そして、決めなかったときにどうなるかも、あらかじめ制度の中で決まっています。つまり「まだ選んでいない」のではなく、すでに何かが選ばれているということです。

この記事では、厚生労働省の資料と公的な統計をもとに、①企業型DCのお金がいまどこに置かれているのか ②選ばないと何が起きるのか ③今日できる確認は何か——を順番に整理します。中身を変えるかどうかは、そのあとの話で大丈夫です。

💭 こんな悩み・不安はありませんか?
  • 給与明細や年に一度の通知に「確定拠出年金」とあるけれど、中身を見たことがない
  • 会社が勝手に運用してくれているものだと思っていた
  • ログインするIDやパスワードがどこにあるのか分からない
  • 元本確保型のままでいいのか、変えたほうがいいのか判断がつかない
  • 前の会社の分を、手続きしないまま放置している気がする

→ ひとつでも当てはまったら、この記事が「まず確認する」ところまでのお手伝いをします。

  • 企業型DCの中身を決めているのは誰かという、いちばん基本のところ
  • 運用商品を選ばなかったときに起きること(指定運用方法という仕組み)
  • 企業型DCのお金がいまどこに置かれているのか——2025年3月末時点の公的統計と年代別の違い(金額の割合)
  • 「配分変更」と「スイッチング」という2つの変え方の違い
  • 転職して手続きをしないまま6か月が過ぎると、資産に起きること
ふくお × ねこた
ねこた
ねこた

ふくおさん、給与明細に「確定拠出年金」って項目があるんすけど、あれって会社が勝手にやってくれてるやつっすよね?

ふくお

掛金を出してくれているのは会社だね。でも、そのお金を「何で運用するか」を決めているのは、たぶんねこた自身だよ。

ふくお
ねこた
ねこた

えっ、自分、何も決めた覚えがないっす……!

ふくお

そこがこの記事のいちばん大事なところなんだ。決めなかったときにどうなるかも、制度の中であらかじめ決まっている。だから「まだ選んでいない」んじゃなくて、もう何かが選ばれている状態なんだよ。

ふくお
ねこた
ねこた

自分のお金なのに、知らないところで決まってるってことっすか。なんかモヤっとするっす……

ふくお

モヤっとするなら、確かめれば消えるモヤモヤだよ。中身を変える必要はないんだ。まずは見るだけ。一緒に見ていこうか。

ふくお
✏️ ふくおの体験談

書類を前に首をかしげるふくお

僕は勤め先で、企業型の確定拠出年金に最初から加入していました。毎月の給与明細に載っているのは知っていましたが、長いあいだ僕にとっては「会社の年金のなにか」でした。名前も仕組みも調べたことがなくて、勝手に運用されているもの、くらいの認識だったんです。

投資の勉強を始めてから、ようやく分かりました。会社が用意していたのは商品の一覧までで、その中のどれで運用するかは、僕が決めることになっていたのだと。決めた覚えがないということは、決めなかったという形で決まっていた、ということです。個人で入るiDeCoと同じ「確定拠出年金」なのに、僕は名前すら結びついていませんでした。

いま振り返って引っかかるのは、金額そのものよりも「自分の名前で持っている資産なのに、中身を一度も見ていなかった」という状態のほうでした。

企業型DCは「会社の年金」というより、中身を自分で決める箱です

企業型DCは、会社が毎月お金(掛金)を出して、それを積み立てていく制度です。ここまでは「会社の年金」というイメージのとおりだと思います。

違うのは、その先です。厚生労働省は制度の説明でこう書いています。

「運営管理機関(金融機関等)が選定・提示する運用商品(投資信託、保険商品、預貯金等)の中から、加入者等自身が商品を選んで運用します。」
「運営管理機関は、必ず3以上35以下の商品を選択肢として選定し、加入者等に提示することとなっています。」
「加入者等は、複数の運用商品を選ぶこともでき、運用の途中で運用商品を変更することもできます。」

出典:厚生労働省「確定拠出年金制度の概要」(2026年8月時点)

会社が用意するのは選択肢の一覧までで、その中からどれを選ぶかは加入している本人が決めます。だから、同じ会社の同じ部署にいる2人でも、10年後の残高は違う金額になり得ます。

「箱」と「中身」に分けて考えると分かりやすいと思います。NISAやiDeCoと同じで、企業型DCも制度(箱)の名前であって、増えたり減ったりするのは箱の中に入れた商品のほうです。企業型DCとiDeCoとNISAの役割の違いは NISAとiDeCo、どっちを優先? で整理しています。

数字で見る企業型DC(2025年3月末)

  • 加入者数 8,620,582人(約862万人)/運用指図者 424,762人(掛金の拠出は終わり、運用だけ続けている人)
  • 実施している事業所 58,326社/承認された規約 7,432件
  • 資産の合計 23兆8,201億円(加入者・運用指図者1人あたり263万円)

出典:運営管理機関連絡協議会「確定拠出年金統計資料(2025年3月末)」

もうひとつ、覚えておくと役に立つことがあります。厚生労働省は「確定拠出年金を実施している事業主は、加入者等に対して必要かつ適切な『投資教育』を行わなければなりません」としています。制度として、会社の側に説明する役割が置かれているということです。分からないことを勤務先に聞くのは、遠慮するような話ではありません。

選ばなくても、「選んだこと」になる仕組みがあります

ここがこの記事の中心です。

企業型DCでは、加入者が運用商品を選ばないまま一定の期間が過ぎると、あらかじめ規約で決められた商品(指定運用方法)を選んだものとみなされる仕組みがあります。2018年5月1日から始まった仕組みで、根拠は確定拠出年金法の第23条の2と第25条の2です。

みなされるまでの流れ

掛金が入る → 特定期間(3か月以上)のあいだ運用の指図(どの商品をいくらぶん買うかの指示)がないと通知が届く → さらに猶予期間(2週間以上)が過ぎる → 指定運用方法を選んだものとみなされる

※「3か月以上」「2週間以上」は法令上の下限で、実際の長さは会社の規約に具体的な期間として定められています。

この指定運用方法を導入している規約は3,485件(全7,432件のうち)、実際に適用されている人は785,142人います(2025年3月末)。規約の数で見ると、指定運用方法がある会社とない会社は、だいたい半々ということです。

ここで大事なのは、指定運用方法として選ばれている商品は会社ごとに違うということです。預貯金のところもあれば、保険商品やバランス型の投資信託のところもあります。しかも制度上、指定運用方法として提示できるのは1つだけで、複数を組み合わせることはできません。だから「みんなだいたい同じはず」という当てが外れます。

指定運用方法を用意していない会社も、少なくありません。厚生労働省のQ&Aは「指定運用方法を加入者に選定・提示しないことも可能か」という問いに「可能」と答えています。その場合や、みなしが成立するまでのあいだの掛金は、資産管理契約の定めに従った管理(銀行勘定貸、預金等)になります。つまり運用の指図がされないまま、現金に近い形で置かれている状態です。

実際、運用の指図がされていない資産を残高に含む人は186,629人いて、加入者と運用指図者の合計の2.1%にあたります。運用の指図がされていない資産の額は408億円、1人あたりにするとおよそ22万円です。

「みなされた」あとでも、変更はできます。厚生労働省の法令解釈通知でも、みなされたあとに商品を変更できることを、事業主や運営管理機関から加入者へ継続的に知らせるよう求めています。取り返しがつかなくなる話ではありません

いま、企業型DCのお金はどこに置かれているのか

ここからは数字で見てみます。企業型DCの資産23兆8,201億円が、どんな商品に置かれているかの内訳です。

企業型DCのお金は、いま何に置かれているか2025年3月末・資産の合計 23兆8,201億円(金額ベースの割合)元本確保型 30.3%預貯金 21.8% + 保険 8.5%投資信託・金銭信託等 69.2%※右端の細い帯は処理待機等 0.5%投資信託・金銭信託等 69.2% の中身(全体に対する割合)外国株式型25.2%バランス型20.9%国内株式型14.3%外国債券型4.0%国内債券型3.2%その他・MMF1.6%運営管理機関連絡協議会「確定拠出年金統計資料(2025年3月末)」(厚生労働省掲載)より作成

※「処理待機等」は買付・売却の処理中の資金と、運用の指図がされていない資産です。

預貯金21.8%と保険8.5%を合わせた元本確保型が30.3%投資信託・金銭信託等が69.2%。投資信託等の中でいちばん多いのは外国株式型で、全体の25.2%。次がバランス型20.9%、国内株式型14.3%と続きます(いずれも全体に対する割合です)。

この図は「金額の割合」です。「人数の割合」とは別の数字なので、混ぜないようにしたいところです。人数で見ると、資産のすべてが元本確保型という人は21.2%(加入者だけで見ると20.6%)です。
さらにこの人数の割合は、2025年3月末の集計から「資産の全てが元本確保型である者」に定義が統一され、それ以前とは定義が異なります。過去の数字(2021年3月末の32.1%など)と単純に並べて「減った」と読むことはできません。

年代によって、置き方はかなり違います

年代によって、置き方はかなり違います2025年3月末・各年代の資産額に占める割合0%10%20%30%40%24.5%30.0%23.3%35.3%24.5%30.6%32.5%22.0%41.3%16.9%20代30代40代50代60歳以上元本確保型(預貯金・保険)外国株式型運営管理機関連絡協議会「確定拠出年金統計資料(2025年3月末)」より作成(人数ではなく金額の割合です)

※各年代の資産額に占める割合です。人数の割合ではありません。

元本確保型の割合は、20代24.5%・30代23.3%・40代24.5%と横並びで、50代で32.5%、60歳以上で41.3%と上がります。逆に外国株式型は30代の35.3%が最も高く、60歳以上では16.9%まで下がります。

1人あたりの資産額も年代で大きく違います。20代33万円・30代119万円・40代266万円・50代476万円・60歳以上541万円。金額が大きくなるほど、同じ何%の値動きでも、動く金額そのものは大きくなります。

この図は「いまこうなっている」という事実であって、「こうすべき」という基準ではありません。年代が上がれば正解が元本確保型に変わる、という意味でもありません。受け取りまでの残り期間、ほかに持っている資産、家計の状況によって、ちょうどいい置き方は一人ひとり違います。

ふくお × ねこた
ねこた
ねこた

60歳以上の人は元本確保型が4割超えてるんすね。じゃあ若いうちは投資信託にしとけってことっすか?

ふくお

そうは言わないよ。この図は「いま全体でこうなっている」という事実であって、「こうしなさい」という表じゃないんだ。受け取りまでの残り期間や、ほかに持っているお金で、ちょうどいい置き方は変わるからね。

ふくお
ねこた
ねこた

じゃあ自分は結局、何をすればいいんすか……

ふくお

「いま自分のお金がどこに置かれているか」を知ること。今日はそれだけでいいんだ。知ったうえで置いておくのと、知らないまま置かれているのは、同じように見えてまったく別のことだからね。

ふくお

元本確保型が悪いわけではありません。困るのは「知らないまま」のほうです

この話題になると「元本確保型のままは損」という言い方をよく見かけます。でも、この記事ではその立場を取りません。

預貯金や保険商品は、値動きで減らない代わりに、大きくは増えにくい商品です。さらに保険商品は、満期を待たずに別の商品へ替えると解約控除が差し引かれ、受け取る金額が元本を下回ることがあります。インフレが続く局面では、額面が減らなくても、そのお金で買えるものが目減りしていくという弱点もあります。一方で投資信託には元本割れの可能性があり、将来の運用成果は誰にも保証できません。どちらにも役割があり、どちらにも弱点があります

それに、企業型DCのお金は原則として60歳まで引き出せません。受け取りまでの時間が数十年になることもある、いわば強制的な長期投資の箱です。だから「まず手元の現金を確保する」という順番のほうが先です。生活を守るお金の考え方は 生活防衛資金はいくら必要? でまとめています。

この記事で言いたいのは、ただ一点です。
「元本確保型かどうか」ではなく、「それを自分で選んだと言えるかどうか」。
同じ預貯金100%でも、納得して置いているのと、3か月なにもしなかった結果そうなっているのとでは、意味がまったく違います。

逆に、あわてて全部を動かすのもおすすめしません。「割合が少ないから増やそう」「みんなが外国株式型だから合わせよう」という決め方は、周りの数字に自分の判断を預けているという点で、選んでいない状態とあまり変わりません。まず見る、次に知る、決めるのはそのあとで十分です。

✏️ ふくおの体験談

2つのピースを見比べるふくお

制度の名前と中身が分かってから、僕はようやく「選ぶ」ということができるようになりました。

僕の勤め先の企業型DCには、自分の上乗せ分を足せる仕組みがありました。節税だけを考えれば、足したほうが有利です。それでも僕は足さずに、NISAのほうを優先しました。確定拠出年金に入れたお金は原則60歳まで引き出せません。転職も引っ越しも急な出費も、60歳より前に起きます。「節税の数万円」より「いつでも使えるお金がある安心」を取った形です。

大事なのは、どちらを選んだかではなくて、選べる状態になっていたことだと思っています。中身を知らなかった頃の僕には、この比較そのものができませんでした。

今日できる確認は、3つだけです

やることを増やしても続かないので、3つに絞ります。すべて見るだけで、変更の手続きは含みません。

①いまの残高と、何で運用されているか

企業型DCには、加入者専用のWebサイトとコールセンターが用意されています(残高の記録を管理している金融機関が運営しているものです)。ログイン情報は、加入したときの書類や、年に一度届く「お知らせ」に記載されていることが多いです。見つからなければ、勤務先の担当部署に聞けば案内してもらえます。

見るのは2つだけ。残高と、商品名の一覧(何が何%か)です。

②選べる商品のラインナップ

先ほど触れたとおり、会社が提示している商品は3本以上35本以下です(従業員300人以下の会社向けの簡易企業型年金では2本以上)。並んでいるのは預貯金・保険商品のほか、日経平均やS&P500などの指数に連動するインデックスファンドや、いくつもの資産に分散して投資するバランス型などです。まずは何が並んでいるかを眺めるだけで十分です。商品を見比べるときの物差し(信託報酬や中身の分かりやすさ)は 投資信託の選び方 の考え方が参考になります(企業型DCの画面では、確認できる項目が限られることもあります)。

③「配分変更」と「スイッチング」の違いを知っておく

ここは、あとで実際に変えるときにつまずきやすいところです。変えられる場所が2つあるということだけ、先に知っておくと迷いません。

変えられる場所は、2つあります配分変更これから積み立てる掛金の買い方を変える毎月の掛金(来月ぶんから)これから買う商品の割合を決め直すすでに持っている資産は、そのまま残りますスイッチングすでに持っている資産を、別の商品へいまの残高(積み上がった分)売って、買い直す(時間差が出ます)これからの掛金の買い方は変わりません①だけ変えると今ある残高は昔のまま/②だけ変えると来月からの掛金は元のまま——2つセットで確認します

※画面上の名称や、変更が反映されるタイミングは運営管理機関によって異なります。

  • 配分変更=これから積み立てる掛金の買い方を変える。すでに持っている資産はそのまま
  • スイッチング=すでに持っている資産を売って、別の商品に買い替える。これからの掛金の買い方は変わらない

つまり片方だけを変えると、もう片方は前のままです。「変えたつもりだったのに変わっていない」の多くは、ここが原因です。

呼び方は運営管理機関によって違います。「配分指定の変更」「運用商品預替」など、画面上の言葉はさまざまです。これから買う分の話なのか、すでに持っている分の話なのか——その1点で読み分ければ間違えません。
また、スイッチングは売却してから購入するまでに数日かかることがあり、商品によっては解約時に信託財産留保額(投資信託)や解約控除(保険商品)という費用がかかる場合もあります。元本確保型の保険商品でも、満期を待たずに別の商品へ替えると、受け取る金額が元本を下回ることがあります。細かい条件は、必ず自分の会社の運営管理機関の説明で確認してください。

転職のあと手続きをしないままだと、資産が「一時仮預かり」になります

最後に、企業型DCで意外と多い落とし穴です。

転職・退職で企業型DCの加入者資格を失ったとき、6か月以内に他の確定拠出年金などへ資産を移す手続きをしないと、資産は国民年金基金連合会に移されて一時仮預かりの状態になります(実際の記録の管理は「特定運営管理機関」と呼ばれる会社が行います)。これを自動移換といいます。

自動移換されたままだと、こうなります(特定運営管理機関の説明より)。

  • 資産の運用ができない(運用機会を逸する)一方で、管理手数料は資産から差し引かれます。
  • 自動移換中は老齢給付金を受けるための通算加入者等期間に算入されません。」——受け取り始められる年齢が遅くなることがあります
  • 受給できる年齢になっても、自動移換のままでは老齢給付金の請求ができません

手数料もかかります(2026年4月時点)。

いつ 何の手数料 金額
自動移換されるとき 特定運営管理機関手数料 3,300円
自動移換されるとき 連合会手数料 1,048円
自動移換されている間 管理手数料 月98円
※自動移換から4か月経過後に発生。年1回3月末にまとめて資産から差し引かれます
あとで移すとき 移換手数料 550円
※特定運営管理機関の手数料です。このほか移換先の機関でも手数料がかかる場合があります

入口だけで3,300円+1,048円=4,348円。そのうえで月98円は、まるまる1年かかると1,176円です(発生するのは自動移換から4か月経過後です)。運用ができない状態のまま、手数料だけが資産から引かれていく——これがいちばん避けたい形だと思います。

心当たりがあれば、特定運営管理機関(JIS&T)のサイトで手続きの案内を確認できます。移し替える先は、転職先の企業型DCか、iDeCoです(転職先の確定給付企業年金などへ移せる場合もあります)。気づいた時点で手続きをすれば、そこから運用を再開できます。何年か気づかないままだったとしても、手遅れということはありません。

ふくお × ねこた
ねこた
ねこた

見るだけならできそうっす。でも、ログインとかIDとか、なんか面倒くさそうっすね……

ふくお

最初の1回は、たしかにちょっと手間かもしれないね。でも制度として、会社の側には投資教育を行う役割があるんだ。分からなければ担当の人に聞いていいんだよ。

ふくお
ねこた
ねこた

えっ、会社に聞いていいんすか!? 自分で全部調べなきゃダメだと思ってたっす。

ふくお

制度がそういう作りになっているんだ。IDが分からない、画面の見方が分からない、そもそも何を選んでいるのか分からない——全部聞いていいことだよ。恥ずかしい質問じゃない。

ふくお
ねこた
ねこた

じゃあ今週、給与明細を持って総務に行ってみるっす!

ふくお

総務の人も、そういう質問には慣れているはずだよ。中身は変えなくていいんだ。「いま自分のお金はこうなってる」と自分の口で言えるようになったら、それはもう選んでいる状態だからね。

ふくお

まとめ|「選ばされている」か「選んでいる」かを、一度だけ確かめる

企業型DCは、会社が増やしてくれる年金ではありません。会社が出してくれたお金を、自分の名前の口座で、自分が決めた中身で運用していく制度です。

そして、決めないという選択肢は用意されていません。指定運用方法があればその商品で、なければ現金に近い形で——どちらにしてもお金の置き場所は、もう決まっています。だからこの記事でおすすめしたいのは、商品を変えることではなく、いまどうなっているかを一度だけ見に行くことです。

  • 企業型DCは制度(箱)の名前。増えたり減ったりするのは、箱に入れた中身のほう
  • 会社が用意するのは3〜35本の選択肢まで。どれを選ぶかは加入者本人が決める
  • 選ばないと、指定運用方法を選んだものとみなされる(特定期間3か月以上+猶予期間2週間以上)。指定運用方法がない会社では、現金に近い形のまま置かれる
  • 企業型DCの資産23兆8,201億円は元本確保型30.3%・投資信託等69.2%(2025年3月末・金額ベース/人数で見ると、資産のすべてが元本確保型の人は21.2%)。ただしこれは事実であって、基準ではありません
  • 元本確保型が悪いのではなく、知らないまま置かれていることが問題。同じ結果でも、選んだかどうかで意味が変わる
  • 加入者専用のWebサイトにログインして、残高・いまの商品名・選べる商品の一覧を見るだけ(今日は変更しなくて大丈夫)
  • IDや見方が分からなければ勤務先の担当部署に聞く(事業主には投資教育を行う役割があります)
  • あとで中身を変えるときのために、「配分変更」と「スイッチング」は別物だと覚えておく
  • 転職して6か月以上たっている心当たりがあれば、自動移換になっていないか確認する
  • NISAやiDeCoとの役割の違いは NISAとiDeCo、どっちを優先?、値動きのある商品の考え方は インデックス投資とは何か が土台になります

📱 会社の箱の中身を確認できたら、次は「自分で開ける箱」も。生活防衛資金を確保できていて、積立を考えるなら(口座開設料・口座管理料は0円です)

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企業型DCの手続きは勤務先と運営管理機関を通じて行うもので、証券会社の口座開設とは関係ありません。上記は「自分で選べる箱をもう一つ持つ」という別の話としての案内です。特定の商品や運用方針をすすめる記事ではありません。投資信託や株式には元本割れの可能性があり、将来の運用成果を保証するものではありません「0円」は口座開設料・口座管理料についてのもので、取引手数料や投資信託の信託報酬など、商品・取引に応じた費用は別途かかります。企業型DCのお金は原則60歳まで引き出せないため、先に確認したいのは手元の現金と生活防衛資金のほうです。各社のサービス内容・条件は2026年8月時点のもので、最新の内容は各社公式サイトでご確認ください。

※本記事の制度内容・数値は、厚生労働省および運営管理機関連絡協議会、特定運営管理機関の公表資料にもとづく2026年8月時点のものです。統計は2025年3月末時点の集計で、金額の割合と人数の割合は別の指標です。「元本確保型のみで運用している者の割合」は2025年3月末の集計から定義が統一されており、それ以前の数値とは定義が異なります。運用商品のラインナップ、指定運用方法の有無と内容、特定期間・猶予期間の長さ、画面上の名称、手続きの方法は会社(規約)と運営管理機関によって異なります。自動移換にかかる手数料は特定運営管理機関の公表による2026年4月時点のものです。個別の残高・商品・手続きについては、勤務先または加入している運営管理機関にご確認ください

よくある質問(FAQ)

Q. 企業型DCの中身は、会社が決めているのではないのですか?

A. 決めているのは加入者本人です。厚生労働省は「運営管理機関(金融機関等)が選定・提示する運用商品(投資信託、保険商品、預貯金等)の中から、加入者等自身が商品を選んで運用します」と説明しています。会社(と運営管理機関)が用意するのは3本以上35本以下の選択肢までで、その中からどれをどの割合で買うかは本人が決めます。運用の途中で変更することもできます。

Q. 何も選ばなかった場合、お金はいまどうなっていますか?

A. 2つのパターンがあります。会社が指定運用方法を用意している場合は、特定期間(3か月以上)と猶予期間(2週間以上)が過ぎた時点で、その商品を選んだものとみなされます。用意していない場合や、みなしが成立するまでの間は、資産管理契約の定めに従った管理(銀行勘定貸、預金等)になります。どちらなのかは会社の規約によって違うので、加入者向けのWebサイトか勤務先で確認してください。なおみなされたあとでも、商品を変更することはできます

Q. 元本確保型のままだと損をしますか?

A. この記事では損得を断定しません。預貯金や保険商品は値動きで減らない代わりに大きくは増えにくく(保険商品は満期前のスイッチングで解約控除がかかる場合があります)、インフレ局面ではお金の実質的な価値が目減りする面もあります。一方で投資信託には元本割れの可能性があり、将来の成果は保証されません。受け取りまでの残り期間、ほかに持っている資産、家計の状況によって答えは変わります。ここで確かめたいのは「どちらが正解か」ではなく、いまの状態を自分で選んだと言えるかどうかです。

Q. 「配分変更」と「スイッチング」は、どう違いますか?

A. 変えられる場所が違います。配分変更は「これから積み立てる掛金」の買い方を変えるもので、すでに持っている資産はそのままです。スイッチングは「すでに持っている資産」を売って別の商品に買い替えるもので、これからの掛金の買い方は変わりません。片方だけ変えると、もう片方は前のままになります。呼び方は運営管理機関によって異なり、スイッチングは売却から購入までに数日かかることや、商品によって信託財産留保額がかかる場合があります。

Q. ログインするIDやパスワードが分かりません。

A. 加入時の書類や、年に一度届く通知に記載されていることが多いです。見つからない場合は、勤務先の担当部署か、加入している運営管理機関のコールセンターに問い合わせれば再発行などの案内を受けられます。厚生労働省は「確定拠出年金を実施している事業主は、加入者等に対して必要かつ適切な『投資教育』を行わなければなりません」としており、制度として会社の側に説明の役割が置かれています。聞きにくいことではありません。

Q. 前の会社の企業型DCを、手続きしないまま放置しています。

A. 加入者資格を失ってから6か月以内に他の確定拠出年金などへ資産を移さないと、資産は国民年金基金連合会に移されて一時仮預かりになります(自動移換)。特定運営管理機関は「資産の運用ができない(運用機会を逸する)一方で、管理手数料は資産から差し引かれます」「自動移換中は老齢給付金を受けるための通算加入者等期間に算入されません」と説明しています。手数料は自動移換されるときに3,300円+1,048円、そのあと月98円(自動移換から4か月経過後に発生)などです(2026年4月時点)。移し替える先は転職先の企業型DCかiDeCoなどで、特定運営管理機関のサイトで手続きの案内を確認できます。気づいた時点で移せば、そこから運用を再開できます。

Q. 企業型DCとNISA、iDeCoはどう使い分ければいいですか?

A. 引き出せる時期と、税制上の扱いが違います。企業型DCとiDeCoは原則60歳まで引き出せない代わりに掛金や運用で税制上の優遇があり、NISAはいつでも売却できます。優先順位の考え方は NISAとiDeCo、どっちを優先? にまとめています。なお、企業型DCに加入している人がiDeCoも使う場合、iDeCoの掛金の上限は勤務先の掛金の分だけ調整されます。また2026年12月にはiDeCoの制度改正が予定されています。企業型DCに加入している人にも関係する内容なので、詳しくは iDeCoが2026年12月に大改正 をご覧ください。

※本記事は情報提供を目的としており、特定商品の購入推奨ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
詳細は 免責事項 をご確認ください。

最終更新日:2026年8月28日

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