「NISAの今年の枠は、12月31日までに使えばいい」。そう思っている方は多いと思います。僕もそう思っていました。
ところが、日本証券業協会が出しているQ&Aを読むと、締切の決まり方が少し違いました。間に合うかどうかを決めるのは、注文した日ではなく「受渡日」です。そして受渡日は、注文した日の数日あとにやってきます。
この記事は、12月にあわてないために、10月のうちに仕組みだけ知っておくための記事です。急いで買い足すことをすすめる記事ではありません。
- 「年内に枠を使い切らないともったいない」と読んで、なんとなく焦っている
- 12月31日ぎりぎりに買っても間に合うのか、はっきり分かっていない
- 毎月の積立をしているが、12月分がどちらの年に入るのか考えたことがない
- 使い残した枠がどうなるのか、正確なところを知らない
→ ひとつでも当てはまったら、この記事が「今年の枠は、いつ閉まるのか」を確かめるお手伝いをします。
- 今年の枠に入るかどうかは、注文した日ではなく「受渡日」で決まるという公式の答え
- 上場株式は約定日(値段が決まった日)から起算して3営業日目=約定の2営業日あとが受渡日になること
- 2026年の取引所は12月30日で終わり、12月31日は休業だということ
- 日本の取引所が開いていても、投資信託の申込みができない日があること
- 使い残した年間投資枠は繰り越せないけれど、1,800万円のほうは消えないこと
- 実際の締切は証券会社ごとに違うので、最後は各社の「年末年始のご案内」で確かめること
ふくおさん、NISAの枠って12月31日までに買えばセーフっすよね。年末に余ってたら、ぱっと買っちゃえばいいっすか?
そこがね、思っているより手前で閉まるんだ。日本証券業協会のQ&Aは「購入した上場株式等の『受渡日』が今年の12月31日以前であることが必要です」と書いているんだよ。注文した日じゃなくて、受渡日なんだ。
受渡日……。自分、注文したらその場で買えてると思ってたっす。ボタン押したら終わりじゃないんすか。
画面の上ではね。でも実際は、注文して、値段が決まって、代金と商品が入れ替わるという3段階になっていて、全部終わるまでに数日かかるんだ。しかも12月31日は、そもそも取引所がお休みだよ。
えっ、31日休みなんすか。じゃあ何日までなら間に合うんすか。今から数えとかないと不安になってきたっす。
順番に数えていこうか。ただ先に言っておくと、間に合わなくても、生涯で使える1,800万円の枠は減らないよ。使い残した年間投資枠は翌年に持ち越せないけれど、1,800万円のほうは1円も減らないんだ。そこまで込みで見ていこう。

僕がインデックス投資を始めたのは2017年です。そのころの僕は、注文ボタンを押した瞬間に、その日の値段で買えていると思い込んでいました。
その思い込みに気づいたのは、注文した日の夜に画面を開いて、約定の欄がまだ空だったときです。次の日に見たら、注文した日ではなく翌営業日の基準価額で買えていました。値動きの大きい日だったので、はっきり覚えています。
調べてみると、投資信託は注文を締め切ってから値段が決まる仕組みで、僕が買っていたファンドは翌営業日の基準価額でした。損も得もしていません。ただ「買う」という行為が、自分が思っていたより長い時間をかけて完了していたことに、そのとき初めて気づきました。
この記事で扱うのも、結局は同じ話です。ボタンを押した日と、制度が「買った」と数える日は、別の日なのです。
今年の枠に入るかどうかは、「受渡日」で決まります
まず、いちばん大事な一文から確かめます。日本証券業協会の「2024年以降のNISAに関するQ&A」(2025年9月)のQ32は、こう答えています。
Q32 今年分の年間投資枠を利用して上場株式等を受け入れるためには、いつまでにその上場株式等を購入する必要がありますか?
「今年分の年間投資枠を利用して上場株式等を受け入れるためには、今年のうちにその上場株式等を購入する必要があります。具体的には、購入した上場株式等の『受渡日』が今年の12月31日以前であることが必要です。金融商品によって約定日と受渡日の間隔が異なりますので、ご注意ください。」
出典:日本証券業協会「2024年以降のNISAに関するQ&A」2025年9月・Q32(2026年9月7日確認)
ここには2つのことが書かれています。ひとつは基準になるのが「受渡日」であること。もうひとつは約定日と受渡日の間隔は、金融商品によって違うことです。「12月31日まで」という言葉は出てきますが、それは受渡日についての話で、注文の締切ではありません。
注文・約定・受渡は、別々の日です
ひとつの買い物が、3つの段階に分かれています。ふだんの買い物では全部が一瞬で終わるので意識しませんが、証券の世界では日付が分かれています。
3つめの「受渡」だけが、制度の側から見た本番です。ここが年をまたぐと、その買い物は翌年の枠になります。
「購入する」という言葉が、受渡まで含んでいます
Q32をもう一度読むと、少し不思議な言い回しになっています。「今年のうちにその上場株式等を購入する必要があります」と書いたあとで、「具体的には、購入した上場株式等の『受渡日』が今年の12月31日以前であることが必要です」と続きます。前半だけ読むと注文の話に見えて、後半で受渡の話だと分かる書き方です。
日常の言葉では、購入は「買うと決めた瞬間」を指します。ところがこの制度では、購入は受渡が済んで、はじめて完了したものとして数えられます。「今年のうちに購入する」=「今年のうちに受渡まで終わらせる」という意味なのです。この2つの読み方の差が、そのまま年末の締切の差になっています。
そしてNISAの枠は、口座に入金したかどうかでは動きません。入金しただけでは枠は1円も減らず、商品を買って受渡が済んだときに、その金額のぶんだけ枠を使ったことになります。「年末までに入金だけしておけば大丈夫」という順番ではない、ということです。
「12月31日まで」を、注文の締切だと読まないでください。Q32が言っているのは受渡日のことです。そして12月31日は、そもそも取引所の休業日です(次の見出しで確かめます)。実際の締切は、12月31日よりかなり手前にあります。
上場株式とETFは、約定から2営業日あとに受け渡されます
では、約定日と受渡日はどれくらい離れているのでしょうか。上場株式については、日本取引所グループが日付まで含めて説明しています。
「2019年7月16日(火)(約定分)よりT+2化を実施することとされ、当該日の取引より株式等の受渡日が1営業日早まり、取引日から起算して3営業日目の日に受渡しが行われております。」
出典:日本取引所グループ「株式等の決済期間短縮化(T+2化)」(2024年7月5日更新・2026年9月7日確認)
「取引日から起算して3営業日目」は、約定した日を1日目と数えます。つまり約定の2営業日あとが受渡日です。土日と祝日、そして取引所の休業日は数えません。
| 約定した日 | 受渡日 | 数え方 |
|---|---|---|
| 月曜日 | 水曜日 | 月(1)→火(2)→水(3) |
| 木曜日 | 翌週の月曜日 | 木(1)→金(2)→月(3)/土日は数えません |
| 金曜日 | 翌週の火曜日 | 金(1)→月(2)→火(3) |
これはETFや上場REITも同じ扱いです。投資信託は取引所を通さないので、また別の数え方になります。あとの見出しで見ていきます。
商品ごとに、決まり方の「出どころ」が違います
Q32が「金融商品によって約定日と受渡日の間隔が異なりますので、ご注意ください。」と念を押しているのは、ここが商品ごとにばらばらだからです。何を見れば分かるのかを整理すると、次のようになります。
| 商品 | 値段が決まるタイミング | 受渡日の決まり方 | 確認する場所 |
|---|---|---|---|
| 上場株式・ETF・上場REIT | 注文が成立した瞬間 | 取引日から起算して3営業日目(T+2) | 日本取引所グループの案内/取引画面 |
| 投資信託 | その日、または翌営業日の基準価額(ファンドによる) | 販売会社が指定する期日 | 交付目論見書の「お申込みメモ」には「販売会社が指定する期日」とだけ書かれています。実際の日付は証券会社の案内で |
投資信託の行に「販売会社が指定する期日」と書いてあるのが、この記事でいちばん引っかかるところです。受渡日を決めているのは、ファンドを作っている運用会社ではなく、買った窓口のほうなのです。だから「年内最終買付日」は、同じファンドでも証券会社によって違うことがあります。
2026年の取引所は、12月30日で終わります
ここに、もうひとつのカレンダーが重なります。日本取引所グループの休業日一覧では、2026年12月31日(木)が「休業日」、そして2027年1月1日(金)が元日、1月2日(土)と1月3日(日)も休業日と定められています。年明けに取引所が開くのは、2027年1月4日(月)です。
つまり2026年の取引日は、12月30日(水)が最後です。受渡日も、2026年のうちに来るのは12月30日が最後になります。
| 約定した日(2026年) | 受渡日 | どちらの年の枠か(当ブログの計算) |
|---|---|---|
| 12月28日(月) | 12月30日(水) | 2026年の枠 |
| 12月29日(火) | 2027年1月4日(月) | 2027年の枠 |
| 12月30日(水) | 2027年1月5日(火) | 2027年の枠 |
上場株式やETFについては、2026年12月28日(月)の約定が、2026年の枠に入る最後という計算になります。12月29日と30日は取引所が開いていますが、その約定分の受渡日は年をまたぎます。
この日付の当てはめは、当ブログの計算です。日本取引所グループの休業日一覧(2026年2月6日更新)と、同じく日本取引所グループが公表しているT+2のルールを組み合わせて数えました。証券会社は、これより手前に独自の締切を置くことがあります。例年11月から12月にかけて各社が「年内最終取引日」の案内を出すので、実際の手続きはその案内で確かめてください。2026年の案内は、2026年9月7日に確認した時点では、主要な証券会社のお知らせ欄には見当たりませんでした。
28日っすか。自分、大晦日までいけると思ってたので3日ぶんも早いっす。しかも証券会社の締切はもっと前かもしれないって、こわいっすね。
こわがらなくて大丈夫だよ。これは「急いで買う日」じゃなくて「今年ぶんとして数えられる最後の日」だからね。間に合わなかったら翌年の枠で買えばいいだけなんだ。
じゃあ投資信託はどうなんすか。自分が積み立ててるのは投資信託っす。株と同じ数え方でいいんすか?
そこが少しやっかいでね。投資信託は、日本のカレンダーだけでは決まらないんだ。世界のどこかの市場が休みなだけで、その日は申込みができないことがあるんだよ。
投資信託は、日本の取引所のカレンダーだけでは決まりません
投資信託は取引所で売買するものではないので、T+2のルールは当てはまりません。代わりに、ファンドごとの「お申込みメモ」に条件が書かれています。ここでは、資料が公開されていて確かめやすいインデックスファンドのひとつとして、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の交付目論見書(2026年7月25日)を例に見ていきます。特定の1本をすすめるものではありません。
お申込みメモ(抜粋)
購入価額:「購入申込受付日の翌営業日の基準価額」
購入代金:「販売会社が指定する期日までにお支払いください。」
申込締切時間:「原則として、午後3時30分までに販売会社が受付けたものを当日の申込分とします。なお、販売会社によっては異なる場合があります。」
出典:三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」交付目論見書 2026年7月25日・お申込みメモ(2026年9月7日確認)
3つとも、押さえておきたい情報です。値段が決まるのは申込みの翌営業日。受渡日を決めているのは販売会社(証券会社や銀行)。締切時間も販売会社によって違う。つまり「投資信託の年内最終買付日」は、目論見書だけを読んでも分かりません。取引のある証券会社の案内を見るしかない、という結論になります。
「翌営業日の基準価額」という部分に、はじめは戸惑うかもしれません。日本株だけで運用するファンドなら、その日の値段でその日のうちに約定するものもあります。世界の株式に投資するファンドで翌営業日になるのは、日本の取引が終わったあとに開く海外市場の値段を、計算に取り込む必要があるからです(この段落は当ブログの説明です)。
いずれにしても、どちらになるかは持っているファンドの目論見書にしか書かれていません。インデックスファンドだから一律にこう、という決まりはないので、名前や種類で判断せず、その1本の記載を見るのが確実です。
日本の取引所が開いていても、ファンドによっては買えない日があります
同じ「お申込みメモ」には、こう書かれています。
申込不可日
「次のいずれかに該当する日には、購入・換金はできません。・ニューヨーク証券取引所、ニューヨークの銀行、ロンドン証券取引所、ロンドンの銀行、香港取引所、香港の銀行の休業日」
出典:同上・お申込みメモ「申込不可日」
「いずれかに該当する日」です。3つの都市のうち、どこかひとつが休みなら申込みができません。そして年末は、日本と海外で休みがずれます。2026年12月の場合、次の2日が重なります。
| 2026年の日付 | 日本の取引所 | ニューヨーク | ロンドン | 香港 |
|---|---|---|---|---|
| 12月25日(金) | 営業日 | 休業(Christmas Day) | 休業(Christmas Day) | 休業(Christmas Day) |
| 12月28日(月) | 営業日 | 営業日 | 休業(Boxing Dayの振替) | 営業日 |
出典:ニューヨーク証券取引所「Holidays & Trading Hours」(2026年のholidayに「Christmas Day」Friday, December 25と記載)/英国政府「Bank holidays」(イングランド・ウェールズの2026年に「25 December Friday Christmas Day」「28 December Monday Boxing Day (substitute day)」と記載)/香港特別行政区政府「General holidays for 2026」(「25 December Friday Christmas Day」「26 December Saturday The first weekday after Christmas Day」と記載)。いずれも2026年9月7日確認。
ここで、さきほどの計算と重なります。上場株式にとっての「年内最後の約定日」だった12月28日(月)は、オール・カントリーにとっては申込みができない日なのです。日本の取引所は開いているのに、です。
これは1本のファンドの例です。申込不可日はファンドごとに違います。日本株だけで運用するファンドには海外市場の休業日は関係ありませんし、対象国が違えば休みも変わります。持っているファンドの交付目論見書の「お申込みメモ」を見るのが確実です。目論見書は、証券会社の商品ページからいつでも開けます。
売るときも、代金が届くまでに日数がかかります
同じ「お申込みメモ」の換金代金の欄には、「原則として、換金申込受付日から起算して6営業日目から販売会社においてお支払いします。」とあります。買うときも売るときも、手続きは数日かけて進みます。「今日決めたことが今日終わる」わけではない、という感覚だけ持っておくと、年末に慌てずにすみます。

僕は今、月10万円ほどの積立を続けています。つみたて投資枠と成長投資枠の両方を使っていますが、年間で120万円ほどです。年間投資枠の360万円を、僕は一度も使い切ったことがありません。
気にしていた時期はあります。「枠を使い切らないともったいない」という言葉をあちこちで見て、自分は出遅れているのではないかと思ったことがありました。年末が近づくと、証券会社のサイトにも似た言葉が並びます。
気にならなくなったのは、1,800万円のほうは減らないと分かってからです。年間投資枠を使い残しても、生涯で使える枠が削られるわけではありません。変わるのは、そこに到達するまでの年数だけでした。
僕のペースだと、その年数は長くなります。それでも、毎月同じ額を続けるほうが自分には合っていました。急いだ結果、家計に無理が出て積立を止めてしまうほうが、僕にとってはよほど遠回りだと思っています。
使い残した年間投資枠は、翌年に繰り越せません。でも「損」ではありません
年末が近づくと「使い切らないと損」という言葉をよく見かけます。前半は本当です。同じQ&AのQ27が、はっきり答えています。
Q27 つみたて投資枠を60万円しか使わなかった場合には、残りの60万円を翌年のつみたて投資枠に繰り越すことはできますか?
「できません。つみたて投資枠の年間投資枠は120万円とされており、ある年に使い残した年間投資枠を翌年の年間投資枠に繰り越すこと(例えば、つみたて投資枠の年間投資枠120万円に、前年に使い残した年間投資枠60万円を合算し、180万円分の買付けを行うこと)はできません。これは成長投資枠(年間投資枠240万円)においても同様です。」
出典:日本証券業協会「2024年以降のNISAに関するQ&A」2025年9月・Q27
使い残した年間投資枠は、その年で終わりです。ここまでは「使い切らないと損」派の言うとおりです。
消えるのは年間投資枠で、1,800万円のほうは消えません
ただし、NISAにはもうひとつ別の枠があります。生涯で使える非課税保有限度額1,800万円です。こちらは、使い残しても減りません。同じQ&AのQ8は、その計算方法をこう説明しています。
「非課税保有限度額は一人1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円)です。ある年の非課税保有額は、その前年末時点において開設されているNISA口座で保有する上場株式や株式投資信託等の買付代金と、その年中に新たに投資する上場株式や投資信託等の買付代金の合計額をもとに算定します(手数料等は含みません)。」
出典:日本証券業協会「2024年以降のNISAに関するQ&A」2025年9月・Q8
計算の材料は「実際に買った金額」です。使わなかった枠は、この計算のどこにも出てきません。つまり年間投資枠を使い残しても、1,800万円のほうは1円も削られません。変わるのは、1,800万円に届くまでの年数だけです。
年360万円ずつなら5年(360万円×5年=1,800万円)、年120万円ずつなら15年(120万円×15年=1,800万円)です。どちらも同じ1,800万円に届きます。到達までの年数が3倍違うだけです。
ひとつ補足があります。年360万円はつみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円を毎年ぴったり使い切るペースなので、5年目には成長投資枠の累計が240万円×5年=1,200万円になります。非課税保有限度額の「うち成長投資枠1,200万円」という内枠にも、ちょうど同時に届く形です(Q8)。つまりこの線は、内枠まで含めて最速で埋めた場合の形です。実際にどの枠でいくら買うかは人それぞれなので、この図は「上限までのペースの違い」を見るためのものと考えてください。
「使い切らないと損」の、正確な言い方
- ❌ 使い残すと、生涯の枠が減る → 減りません(Q8の計算に使い残しは出てきません)
- ⭕ 使い残すと、1,800万円に届くまでの年数が長くなる → これは本当です
早く枠を埋めたい人にとっては意味のある話で、毎月の積立を無理なく続けたい人にとっては、急ぐ理由にはなりません。どちらが正しいという話ではなく、長期で続けられるペースかどうかが判断の材料になります。
売るほうには、非課税を受けるための期限はありません
買うほうに年末の締切があると聞くと、売るほうにもあるのではと不安になります。ここは同じQ&AのQ39が、はっきり否定しています。
Q39 つみたて投資枠や成長投資枠で管理されている上場株式等の売買益を非課税とするためには、いつまでにその上場株式等を売却する必要がありますか?
「つみたて投資枠、成長投資枠ともに非課税期間は無期限です。したがって、売買益の非課税の適用を受けるために上場株式等を売却すべき期限はありません。」
出典:日本証券業協会「2024年以降のNISAに関するQ&A」2025年9月・Q39
年末の締切があるのは、買うほうだけです。持ち続けている分について、年末に何かをする必要はありません。ただし「翌年に1,800万円の枠を空けたい」という目的で売る場合だけは、日付が効いてきます(あとの「年末に売った分の枠が戻るのは、いつの年か」で見ます)。
持っているあいだの非課税にも、期限はありません(受取方法の設定だけは別です)
年末を意識すると、「持っているあいだの非課税にも、いつか期限が来るのでは」と心配になります。ここもQ40が答えています。「つみたて投資枠、成長投資枠ともに非課税期間は無期限です。したがって、つみたて投資枠や成長投資枠で保有している限り、非課税の適用が受けられます。」
2023年までの制度(つみたてNISA・一般NISA)には非課税期間の年数がありましたが、2024年以降のNISAでは無期限になりました。非課税期間そのものが年末に切れる、という心配はいりません。
ただし、上場株式・ETF・上場REITの配当金や分配金には、ひとつだけ手続きの条件があります。同じQ&AのQ18は「NISA口座で保有する上場株式やETF・REITの配当金や分配金を非課税とするためには、所定の手続によって証券会社で配当金や分配金を受領する『株式数比例配分方式』を選択していただく必要があります。」とし、続けて「この手続は、例えば上場株式が3月決算銘柄である場合には、配当基準日(3月31日)までに証券会社を通じて証券保管振替機構に取り次ぐ必要がありますので、余裕をもって証券会社にお申し込みください。」としています。つまり決算日(配当基準日)が12月末の銘柄なら、この取次ぎも年内に終えている必要があります。同じQ18には「課税となった配当金等については確定申告により非課税とすることはできません。」という注も付いています(ただし、その配当金等については、確定申告により一定の上場株式等の譲渡損失との通算は可能とされています)。なお投資信託の分配金は、この手続きをしなくても非課税です(Q21)。
年末の日付が効いてくるのは、2つだけです。①今年ぶんの年間投資枠に入るかどうか(受渡日)と、②上場株式・ETF・REITを持っている場合に、配当金の受取方法が「株式数比例配分方式」になっているか(決算日=配当基準日まで)。円建ての投資信託だけを積み立てている場合は、②は関係ありません。
「今年のうちに売れば、今年また買える」わけではありません
年末が近づくと、もうひとつ似た誤解が出てきます。「枠がもう残っていないなら、いま持っているものを売れば、その分また買えるのでは」という考え方です。これはできません。Q28が正面から答えています。
Q28 つみたて投資枠で投資信託を60万円で買付け、その年のうちに売却した場合、買付けに利用した60万円分の年間投資枠を再利用することはできますか?
「つみたて投資枠の年間投資枠は一人120万円とされており、ある年に一度利用した年間投資枠をその年に再び利用することはできません。これは成長投資枠(年間投資枠240万円)においても同様です。」
「ただし、売却によって非課税保有額が減少しますので、減少分は翌年以降に年間投資枠の範囲内で再利用することが可能です(Q8参照)。」
出典:日本証券業協会「2024年以降のNISAに関するQ&A」2025年9月・Q28
売った分が戻ってくるのは翌年からで、しかも戻ってくるのは1,800万円の枠のほうです。その年の年間投資枠(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円)は、一度使ったら、その年のあいだは戻りません。
| 売却したあと | その年の年間投資枠 | 1,800万円の枠 |
|---|---|---|
| 売った年のうち | 戻りません(Q28) | 売却によって非課税保有額は減ります |
| 翌年以降 | 毎年あらためて設けられます | 減った分を再び使えます(Q8・Q28) |
「年末に売って、年内にもう一度買う」という順番では、枠は増えません。売った分を使えるようになるのは、年が明けてからです。
見落とされやすいのは、分配金の再投資と、年末の売却です
ここまでは、自分で「買う」「売る」と決めたときの話でした。年間投資枠には、自分が決めていないのに使われる入口と、日付の数え方がもうひとつ残っています。
分配金の再投資も、年間投資枠を使います
「収益分配金による再投資により購入したものも、その購入をした年のつみたて投資枠や成長投資枠に受け入れることができ、受け入れた分は年間投資枠の利用金額に加算されます。」
「例えば、80万円で収益分配金再投資型の公募株式投資信託を購入し、その公募株式投資信託の分配金がその購入した年中に5万円発生して再投資し、つみたて投資枠に受け入れたものとします。この場合、その年中は残りの35万円(=120万円-80万円-5万円)以内でしかつみたて投資枠に公募株式投資信託を受け入れることはできません。」
「ただし、収益分配金による再投資の取扱いについては、(中略)証券会社により取扱いが異なりますので、お取引先の証券会社にお問い合わせください。」
出典:日本証券業協会「2024年以降のNISAに関するQ&A」2025年9月・Q35
自分で注文していないお金が、枠を使うことがある、ということです。ただし最後の但し書きが大切で、再投資分をNISAの枠で受け入れるか、特定口座などで受け入れるかは証券会社によって違います。一律にこうなる、とは言えません。
もっとも、影響の大きさはファンドによっても変わります。例に挙げたオール・カントリーの場合、収益分配の欄には「年1回の決算時に分配金額を決定します。(分配金額の決定にあたっては、信託財産の成長を優先し、原則として分配を抑制する方針とします。)」とあり、決算日は毎年4月25日です。分配を抑える方針のファンドでは、この論点はふだん表に出てきません。分配金を毎月出すタイプの商品を持っている場合は、確認しておく価値があります。
購入手数料は、年間投資枠に含まれません
細かい点ですが、枠の計算に手数料は入りません。Q33は「年間投資枠の利用金額の計算は、取引ごとの取得対価の額(購入時の単価に数量を乗じたもの)を年間ベースで合算した金額で行うため、購入手数料等は考慮しません。」としています。信託報酬のような保有中のコストも、枠とは別の話です。
外貨で買った場合は、約定日の為替レートで数えます
外国の取引所に上場している株式やETFを、外貨のまま買った場合の枠の計算です。Q34は「その外貨建て金融商品の外貨での購入代金を、約定日の為替レート(対顧客直物電信売相場)で円貨に換算した金額により、年間投資枠の利用金額を計算します。」としています。
ここだけは、基準が受渡日ではなく約定日です。「いくら枠を使ったか」の換算は約定日のレートで、「今年ぶんに入るか」の判定は受渡日で――と、ふたつの日付が役割を分け合っています。円建てのファンドしか持っていない場合は、気にしなくて大丈夫です。
年末に売った分の枠が戻るのは、いつの年か
NISAは、売った分だけ1,800万円の枠(非課税保有限度額)が翌年から復活します。ここでも「いつの年に売ったことになるか」が効いてきます。Q8にあったとおり、ある年の非課税保有額は「その前年末時点において……保有する上場株式や株式投資信託等の買付代金」をもとに計算されるからです。
年末ぎりぎりの売却について、当ブログの整理です。買付けの側は、Q32が「受渡日が今年の12月31日以前であること」と明記しています。売却の側について、同じQ&Aに受渡日を明示した記述は見当たりませんでした。ただ、Q8の計算が「前年末時点の保有」を基準にしている以上、年末の売却は、手続きが年内に完了しているかどうかで、枠が戻る年が変わる可能性があります。翌年に1,800万円の枠を空けることを目的に年末に売るのであれば、余裕を持った日程にするか、取引のある証券会社に確かめるのが確実です。売った枠の戻り方そのものについては NISAの「売った枠が同じ年に戻る」は、まだ決まっていません で詳しく整理しています。
10月のいま、やっておくと12月にあわてないこと
ここまで読んで「じゃあ今すぐ何かしないと」と思う必要はありません。むしろ逆で、10月の時点でやっておけることは、①〜③はどれも5分で終わる確認だけです(④はあてはまる人向けの逆算です)。
① 取引のある証券会社の「年末年始のご案内」がどこに出るかを、一度見ておく
- 多くの証券会社は、11月から12月にかけて「年内最終取引日」「NISAの年内買付期限」といった案内を出します
- 2026年の案内は、2026年9月7日に確認した時点では見当たりませんでした。いま覚えておくのは「どこに出るか」だけで十分です
- お知らせ欄をブックマークしておくと、12月に探さずにすみます
② 積立の設定日と、引落しの方法を確認する
- 毎月の積立は、設定した日に注文が出ます。12月分の注文日が月末に近いほど、受渡日が年をまたぐ可能性が上がります
- クレジットカード決済の積立は、締切がさらに前倒しになることがあります(各社の規定によります)
- 設定日が申込不可日に当たったときの扱い(いつ注文が出るか)は証券会社によって違います。12月25日・28日のように海外市場の休みと重なる設定日の場合は、各社の年末年始の案内で確認しておくと確実です
- ここで慌てて設定日を変える必要はありません。「自分の12月分がどちらの年に入りそうか」を知っておくだけで十分です
③ 今年これまでにいくら使ったかを、1回だけ見る
- 証券会社の画面には、年間投資枠の利用状況が出ています。年に1回見ておけば十分です
- 見る目的は「足りているか」ではなく、「自分のペースを把握する」ことです
- 使い残していても、1,800万円のほうは減りません。数字を見て焦る必要はありません
④ 年内に必ず入れたいお金がある人だけ、逆算しておく
- 冬のボーナスや、まとまって入る予定のあるお金を「今年ぶん」として入れたい場合だけ、日程を逆算する意味があります
- 逆算に必要なのは3つ。入金がいつ間に合うか、その商品の受渡日が何日あとになるか、証券会社の年内最終買付日はいつか
- この3つのうち、10月にはっきり分かるのは上場株式・ETFの受渡日だけです(約定日から起算して3営業日目)。投資信託の受渡日は販売会社が決めるので、交付目論見書に日数は書かれていません。「お申込みメモ」でいま確認できるのは申込締切時間と申込不可日です
- あてはまらない場合は、この手順は飛ばして構いません。毎月の積立だけで完結している人には、逆算する必要がありません
やらなくていいこと。年末が近いからという理由で、いつもより多い金額を一度に投じること。生活費や生活防衛資金を取り崩して枠を埋めること。この2つは、枠を埋める効果と引きかえに、家計のほうを不安定にします。年間投資枠は毎年新しく設けられます。積立を続けられるペースのほうが、優先度は上です。
なんか、思ってたのと逆になったっす。締切は早いって話なのに、読み終わったら焦りが減ったっす。
それでいいと思うよ。締切があるのは「今年ぶんとして数える」ためのもので、間に合わなかった人に罰があるわけじゃないからね。1,800万円のほうは、待っていてくれるんだ。
じゃあ自分は、12月に何もしなくていいってことっすか? 積立は毎月自動で出てるっす。
自動で続いているなら、基本は何もしなくていいよ。12月分がどちらの年に入るかが変わるだけで、買っている中身は同じだからね。気にするとしたら、年内に必ず入れたい特別なお金がある人くらいかな。
なるほどっす。今日はブックマークだけしとくっす。12月の自分が楽になるやつっすね。
いい落としどころだね。10月に知っておいて、12月に何もしない。それがいちばん静かでいい形だと思うよ。
まとめ|締切は12月31日ではなく、そのもっと手前にあります
年末が近づくと、「今年の枠」をめぐる言葉がいっせいに増えます。そのほとんどは間違いではないのですが、主語や条件が省かれていることがあります。公表資料に戻して並べ直すと、次のようになります。
| よく聞く言い方 | 公表資料で確かめると |
|---|---|
| 今年の枠は12月31日まで | 「受渡日」が12月31日以前であることが条件(日証協Q32)。注文の締切ではありません |
| 大晦日まで買える | 2026年12月31日(木)は取引所の休業日。2026年の取引日は12月30日(水)が最後 |
| 日本のカレンダーだけ見ればいい | 投資信託には申込不可日があり、海外市場の休業日が影響することがあります |
| 使い切らないと損 | 年間投資枠は繰り越せません(Q27)が、1,800万円は減りません(Q8)。変わるのは到達年数だけ |
| 年末にやる手続きは何もない | 投資信託だけならそのとおりです。ただし上場株式・ETF・REITの配当を非課税で受け取るには「株式数比例配分方式」の選択が必要で、こちらは決算日(配当基準日)までの手続きになります(Q18) |
| 年末までに売らないと不利 | 非課税の適用を受けるために売却すべき期限はありません(Q39)。ただし翌年に1,800万円の枠を空ける目的があるときは、年内に手続きが終わっているかが効きます(当ブログの整理) |
| 売れば、その年にまた買える | その年の年間投資枠は戻りません(Q28)。使えるようになるのは翌年からです |
| 枠を使うのは自分が出したお金だけ | 分配金の再投資も年間投資枠を使います(Q35)。ただし取扱いは証券会社によって異なります |
- 今年の枠に入るかどうかは、注文した日ではなく「受渡日」で決まります。約定日と受渡日の間隔は、金融商品によって違います
- 上場株式・ETFは、約定日から起算して3営業日目が受渡日です。2026年は12月30日(水)が最後の受渡日で、12月31日(木)は取引所が休業します(証券会社が独自に、これより手前の締切を置くことがあります)
- 投資信託は、日本のカレンダーだけでは決まりません。申込不可日と締切時間があり、受渡日を決めているのは販売会社です
- 使い残した年間投資枠は繰り越せませんが、1,800万円のほうは1円も減りません。変わるのは、そこに届くまでの年数だけです
- 取引のある証券会社のお知らせ欄をブックマークしておく(年内最終取引日の案内は、例年11〜12月に出ます)
- 積立の設定日と決済方法を1回だけ確認する。12月分がどちらの年に入りそうかが見えます
- 持っているファンドの交付目論見書の「お申込みメモ」を開いてみる。申込不可日と締切時間が書かれています
- 今年これまでの年間投資枠の利用状況を1回だけ見る。足りているかではなく、自分のペースを知るために
- 年末だからという理由で、金額を増やさない。枠は毎年新しく設けられます
- 枠の考え方をもう一度整理したいときは 新NISA「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の違いと使い分け を読み返してみてください
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※この記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融機関・金融商品の推奨や、投資判断の助言を行うものではありません。制度の内容、各社の締切、ファンドごとの取扱いは変更されることがあります。実際のお手続きは、必ずお取引先の金融機関の案内でご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 12月31日に注文すれば、今年の枠に間に合いますか?
A. 間に合いません。日本証券業協会のQ&A(Q32)は「購入した上場株式等の『受渡日』が今年の12月31日以前であること」を条件にしています。注文した日ではなく受渡日が基準です。加えて、日本取引所グループの休業日一覧では2026年12月31日(木)は休業日とされており、そもそも取引ができません。
Q. では、2026年は何日までに買えばいいのですか?
A. 商品によって違います。上場株式・ETFについては、日本取引所グループの休業日一覧とT+2のルール(取引日から起算して3営業日目に受渡し)から数えると、2026年12月28日(月)の約定が2026年ぶんの最後になります(当ブログの計算)。投資信託の締切は、販売会社が指定する受渡日によって決まるため、証券会社ごとに異なります。各社が例年11〜12月に出す案内で確認してください。2026年の案内は、2026年9月7日に確認した時点では見当たりませんでした。
Q. 毎月の積立をしています。12月分は今年の枠ですか?
A. 設定日と、その商品の受渡日次第です。月の前半に注文が出る設定なら、まず年内の受渡になります。月末に近い設定日の場合は、年をまたぐ可能性があります。どちらになっても買っている中身は変わらないので、あわてて設定を変える必要はありません。気になる場合は、証券会社の年末年始スケジュールで自分の設定日を確認してください。
Q. 年内に間に合わなかった枠は、翌年に持ち越せますか?
A. 持ち越せません。Q&A(Q27)は「ある年に使い残した年間投資枠を翌年の年間投資枠に繰り越すこと(中略)はできません。これは成長投資枠(年間投資枠240万円)においても同様です。」としています。つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円は、毎年その年ぶんとして新しく設けられます。
Q. 使い残した分だけ、1,800万円の枠も減ってしまいますか?
A. 減りません。Q&A(Q8)によれば、非課税保有額は「前年末時点において開設されているNISA口座で保有する上場株式や株式投資信託等の買付代金と、その年中に新たに投資する上場株式や投資信託等の買付代金の合計額」で計算されます。実際に買った金額だけが数えられるので、使わなかった枠は計算に影響しません。変わるのは1,800万円に届くまでの年数です。
Q. 購入手数料は、年間投資枠に含まれますか?
A. 含まれません。Q&A(Q33)は「年間投資枠の利用金額の計算は、取引ごとの取得対価の額(購入時の単価に数量を乗じたもの)を年間ベースで合算した金額で行うため、購入手数料等は考慮しません。」としています。1,800万円の非課税保有額の計算でも、手数料等は含まれません(Q8)。
Q. 分配金の再投資も、年間投資枠を使うのですか?
A. NISAの枠で受け入れた場合は、使います。Q&A(Q35)は「受け入れた分は年間投資枠の利用金額に加算されます」としています。ただし同じQ35に「収益分配金による再投資の取扱いについては(中略)証券会社により取扱いが異なりますので、お取引先の証券会社にお問い合わせください。」という但し書きがあり、再投資分を特定口座などで買い付ける扱いにしている会社もあります。分配を抑制する方針のファンドでは、そもそも分配金が出にくくなっています。
Q. 売るほうにも、年末の締切はありますか?
A. ありません。Q&A(Q39)は「つみたて投資枠、成長投資枠ともに非課税期間は無期限です。したがって、売買益の非課税の適用を受けるために上場株式等を売却すべき期限はありません。」と明記しています。年末に何かをしないと不利になる、ということはありません。
Q. 年末に売ったら、その枠はいつ戻りますか?
A. 翌年です。ただし「どちらの年に売ったことになるか」は手続きの完了時期によります。Q&A(Q8)は、ある年の非課税保有額を「前年末時点の保有」をもとに算定するとしています。年末ぎりぎりの売却は、年内に完了しているかどうかで戻る年が変わる可能性があるため、翌年に1,800万円の枠を空ける目的があるなら余裕を持った日程にするか、証券会社に確認してください(この段落は当ブログの整理です)。
Q. つみたて投資枠と成長投資枠で、年内の締切は違いますか?
A. 制度としての条件は同じです。Q32は「上場株式等」について、受渡日が12月31日以前であることを条件にしていて、枠の種類では分けていません。ただし、つみたて投資枠で買えるのは投資信託などに限られ、成長投資枠では上場株式も買えます。商品が違えば受渡日の決まり方が違うので、結果として実際の締切日は変わってきます。
Q. 年内に入金だけしておけば、枠を確保できますか?
A. できません。年間投資枠は、入金ではなく買付けによって使われます。Q8も、非課税保有額を「買付代金」で計算すると説明しています。入金しただけの現金は、枠の計算にまったく影響しません。年内ぶんとして数えてもらうには、受渡までが年内に終わっている必要があります。
Q. 外国株を買った場合、年間投資枠はいくら使ったことになりますか?
A. 約定日の為替レートで円に換算した金額です。Q&A(Q34)は「外貨での購入代金を、約定日の為替レート(対顧客直物電信売相場)で円貨に換算した金額により、年間投資枠の利用金額を計算します。」としています。買った日の相場で円に直した金額が、枠の使用額になります。
Q. これからNISA口座を開きます。年内に間に合いますか?
A. 間に合うかどうかは、口座開設にかかる期間によります。Q&A(Q41)によれば、NISA口座は二重開設がないことを税務署を通じて確認する仕組みで、「証券会社などによっては、税務署から二重開設でないことの確認が得られるまでNISA口座での取引を制限させていただく場合があります」とされています。日数は会社によって違うので、申し込み先に確認してください。なお、年内に間に合わなくても1,800万円の枠は減りません。年末に急いで開設する理由は、特にありません。
Q. 12月に、いつもより多く買っておいたほうがいいですか?
A. この記事は、そのすすめ方をしていません。年間投資枠を早く使えば1,800万円に早く届くのは事実ですが、そのために生活費や生活防衛資金を取り崩すと、家計のほうが不安定になります。また枠の使い方をどう変えても、買っている商品の値動きは変わりません。投資信託には元本割れの可能性があり、将来の運用成果を保証するものではありません。判断の材料になるのは「無理なく続けられる金額かどうか」で、年末という時期そのものではありません。
Q. この記事の内容は、いつまで有効ですか?
A. 本記事は2026年9月7日に確認した資料に基づいています。日本証券業協会のQ&Aは2025年9月版で、版が改まることがあります。日付の当てはめ(12月28日・12月30日など)は2026年のカレンダーに固有のもので、翌年以降はそのまま使えません。ファンドの申込不可日や締切時間は交付目論見書の改訂で変わることがあり、各証券会社の年内最終取引日は毎年あらためて案内されます。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融機関・金融商品の推奨や、投資判断の助言を行うものではありません。記事中のファンド名は、受渡日や申込不可日の確かめ方を説明するための実例で、購入をすすめるものではありません。同じ設計のインデックスファンドは、他の運用会社にもあります。投資信託には元本割れの可能性があり、将来の運用成果を保証するものではありません。記事中の内容は2026年9月7日に確認した公表資料(日本証券業協会「2024年以降のNISAに関するQ&A」2025年9月、日本取引所グループ「株式等の決済期間短縮化(T+2化)」および「営業時間・休業日一覧」、三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」交付目論見書2026年7月25日、ニューヨーク証券取引所「Holidays & Trading Hours」、英国政府「Bank holidays」、香港特別行政区政府「General holidays for 2026」)に基づいています。制度の内容、各証券会社の締切、ファンドごとの取扱いは変更されることがあります。実際のお手続きは、必ずお取引先の金融機関の案内でご確認ください。
詳細は 免責事項 をご確認ください。
2026年9月7日に資料を確認し、2026年10月5日に公開しました
















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