給料は、たしかに上がりました。それなのに、月末の口座残高はほとんど変わっていない。むしろ前より余裕がない気さえする。——そんな感覚を持っている人は、けっして少数派ではありません。
総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均」を見ると、それがはっきり数字に出ています。会社員などの世帯(勤労者世帯)の収入は1か月平均で前年より17,746円増えました。ところが同じ1年で、手元に残るお金は11,321円減っています。
これは意志が弱いからでも、使いすぎたからでもありません。増えた分の「置き場所」を決めていないだけです。この記事では、その仕組みを数字で確かめたうえで、昇給の日にやることをひとつだけに絞ります。
- 収入は増えたはずなのに、貯金額がぜんぜん変わらない
- ぜいたくをしている自覚はないのに、お金が残らない
- 「昇給したら積立を増やそう」と思っていたのに、気づけば同じ金額のまま
- 節約をがんばる以外に、打つ手が思いつかない
→ ひとつでも当てはまったら、この記事が「増えた分の置き場所を決める」お手伝いをします。
- 増えた収入17,746円が、どこへ消えていったのかの内訳
- 使ったお金が増えたのはぜいたくのせいではないという、費目別のデータ
- 年代が上がるほど残るお金が減っていくという現実と、その読み方の注意点
- 昇給の日にやることを1つだけにする方法
- 増えた分を積立に回すときの、無理のない順番
ふくおさん、自分、この前ちょっとだけ給料が上がったっす。でも……なんでか全然うれしくないっす。財布の中身、前と同じっす。
それ、ねこただけの話じゃないんだよ。国の家計調査だと、2025年の勤労者世帯は収入が月17,746円増えたのに、手元に残るお金は逆に11,321円減っているんだ。
えっ、増えたのに減るってどういうことっすか!? みんなそんなに散財してるんすか?
それがね、費目の中身を見るとぜいたくはしていないんだ。むしろ交際費やこづかいは減っている。増えているのは電気代とか、暮らしの土台のほうなんだよ。
じゃあ自分にできることないっすよね……。節約もこれ以上むりっす。
節約はしなくていいんだ。やることは1つだけ。増えた分をどこに置くかを、増えた日に決める。それだけで景色が変わるよ。順番に見ていこうか。

2017年に投資を始めたころ、僕の頭にあったのは「どこに置くか」ではなく「どうすれば早く増えるか」でした。手元にお金ができるたびに考えていたのは、置き場所ではなく増やし方だったのです。
その結果、僕はいちばん動きの大きい場所にお金を置きました。FXや短期の売買です。2018年、そこで130万円を失いました。
いま振り返って思うのは、あのときの僕には「置き場所の選択肢」がそもそも無かったということです。生活費の口座と、それ以外。区別はその2つだけでした。だから、増えたお金は行き場を失って、いちばん刺激の強いところへ流れていったのだと思います。この失敗の詳しい話は 投機で130万円を溶かした僕が、投資にたどり着くまで に書いています。
統計で見ると、給料はたしかに上がっている
まず前提を確認しておきます。「上がっていない気がする」という感覚とは別に、統計上は上がっています。
総務省統計局の家計調査報告には、その年の家計をめぐる主な動きがまとめられています。そこには、経団連の集計として2025年春季労使交渉の大企業の賃上げ率が5.39%(賃上げ幅1万9195円)だったことが挙げられています。現行の集計方法となった1976年以降で、前年に次ぐ2番目の上げ幅です。
同じ一覧には、最低賃金が全国平均で66円引き上げられ1121円になったことも記載されています(比較可能な2002年以降で最大の上げ幅)。こちらは経団連の集計ではなく、2025年10月の改定内容です。
家計の側から見ても同じです。二人以上の世帯のうち勤労者世帯(平均世帯人員3.20人、世帯主の平均年齢51.0歳)の実収入は、1か月平均653,901円。前年に比べて名目で2.8%の増加でした。この653,901円は世帯全員の税込み収入を合計した金額で、個人の給料ではありません(この点は次の表のあとで詳しく説明します)。
問題は、その先で起きています。
増えた17,746円は、どこへ行ったのか
📊 増えた収入17,746円の行き先
二人以上の世帯のうち勤労者世帯・1か月平均/2024年と2025年の差
数字で並べると、こうなります。
| 項目(世帯あたり・月平均) | 2024年 | 2025年 | 差 |
|---|---|---|---|
| 実収入(世帯全員の税込み収入) | 636,155円 | 653,901円 | +17,746円 |
| 非消費支出(税・社会保険料など) | 113,586円 | 121,493円 | +7,907円 |
| 可処分所得(いわゆる手取り) | 522,569円 | 532,408円 | +9,839円 |
| 消費支出(使ったお金) | 325,137円 | 346,297円 | +21,160円 |
| 黒字(残ったお金) | 197,432円 | 186,111円 | ▲11,321円 |
実収入から税や社会保険料を引いたものが手取り、手取りから使ったお金を引いた残りが黒字です。収入は増えているのに、いちばん下の行だけがマイナスになっています。
💡「手取り53万円」が自分の感覚と合わない理由
この金額を見て「うちと全然違う」と感じたなら、その感覚は正しいです。家計調査の実収入は、世帯主を含む世帯員全員の税込み収入を合計したものだからです。勤労者世帯の平均有業人員は1.81人で、共働きの世帯がかなり含まれています。さらに、ボーナスを12か月で割った分も毎月の金額に乗っています。
同じ調査で内訳を見ると、世帯主本人の勤め先収入は470,986円。そのうち毎月入ってくる定期収入は380,502円で、残りの90,485円は臨時収入・賞与を月割りした分です。配偶者の収入は107,549円でした(いずれも税込み)。
ひとり暮らしの人向けの数字もあります。単身世帯のうち勤労者世帯(平均年齢43.3歳)の実収入は、1か月平均386,791円。世帯の形によって金額はまったく違います。だからこの記事で見てほしいのは金額そのものではなく、増えた分がどこへ行ったかという「割合と向き」のほうです。
ここで押さえておきたいのは、平均で見ると、増えた収入の約45%にあたる分が、手元に届く前の段階(税・社会保険料など)で増えているという点です。「昇給したのに手取りが思ったより増えない」という感覚は、気のせいではありません。所得税や社会保険料は収入に応じて増えますし、住民税は前年の所得をもとに翌年の負担が決まります。つまり、収入が増えた効果は、少し遅れて差し引かれる側にも表れます。
⚠️ この数字の読み方の前提
家計調査は、毎年サンプルとして選ばれた世帯の平均です。同じ世帯を追いかけて「去年より減った」と言っているわけではありません。
ただ、2024年と2025年で世帯人員(3.23人→3.20人)、世帯主の平均年齢(50.5歳→51.0歳)、持家率(82.5%→82.2%)はいずれも近い値でした。世帯の姿が大きく入れ替わったわけではない、ということは確認できます。個人の給与明細と一致する数字ではなく、全体の「形」を見るためのものとして読んでください。
増えた分の半分近くが、手元に来る前に消えてるんすか……。なんか、がんばり損な気がしてきたっす。
気持ちはわかるよ。でも、ここは自分で動かせないところなんだ。動かせるのは、その下の「使ったお金」と「残すお金」の配分のほうだよ。
でも使ったお金って、勝手に増えちゃうもんじゃないんすか? 自分、ぜいたくした覚えないっす。
そこがこの記事のいちばん大事なところなんだ。実際、みんなぜいたくはしていないんだよ。データを見てみようか。
使ったお金が増えたのは、ぜいたくのせいではない
「支出が増えた」と聞くと、遊びや買い物が増えたように感じます。でも費目別に見ると、まったく違う姿が見えてきます。
ここからは二人以上の世帯(勤労者世帯に限らない全体)の数字です。2025年の消費支出は1か月平均314,001円で、名目では4.6%の増加、物価変動(3.7%)の影響を除いた実質でも0.9%の増加でした。その中で、動きが大きかった費目を抜き出したのが次の表です。
| 費目 | 月平均額 | 名目の増減 | 実質の増減 |
|---|---|---|---|
| 食料 | 94,895円 | +5.5% | −1.2% |
| 光熱・水道(うち電気代 13,219円) | 24,547円 | +6.2%(電気代 +10.1%) | +2.5% |
| 住居 | 18,678円 | +3.3% | +0.7% |
| 被服及び履物 | 10,063円 | +0.8% | −1.8% |
| 交際費 | 9,254円 | −7.2% | −10.5% |
| こづかい(使途不明) | 5,744円 | −2.1% | −5.6% |
いちばん注目してほしいのは食料です。出ていくお金は名目で5.5%増えているのに、実質では1.2%の減少。つまり、払う金額は増えたのに、買えている量はむしろ減っているということです。
その一方で、交際費は7.2%、こづかいは2.1%減っています。楽しみに使うお金は、すでに削られている側なのです。増えているのは電気代のような、生活していれば必ず出ていくお金のほうでした。
💡 ここまでのまとめ
- 収入は増えたが、その約45%は税・社会保険料の増加分に対応している
- 手取りの増加(+9,839円)より、支出の増加(+21,160円)のほうが大きかった
- 支出が増えたのはぜいたくのせいではなく、暮らしの土台の部分が上がったため(費目別は二人以上の世帯・全体の数字)
この構図がやっかいなのは、努力でどうにかしようとすると、まず削れるところ(交際費・こづかい・服)から削ってしまう点です。しんどい割に効き目が小さく、続きません。変動費を我慢するより、固定費の側を1回だけ見直すほうが効率がいいのは、このためです。この話は 固定費の見直しは「頑張らない節約」 にまとめています。どちらも「1回だけ決めて、あとは放っておく」という点では同じ考え方です。
⚠️ 数字を引くときの注意
この費目別の数字は二人以上の世帯(全体)のもので、前の章で見た勤労者世帯とは対象が違います(全体は平均世帯人員2.87人・世帯主の平均年齢60.7歳で、無職世帯も含みます)。金額をそのまま足したり引いたりはできません。また、統計局の資料では、2025年に自動車関係の支出が伸びた背景として「前年の一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響の反動」があったことが説明されています。単年の増減には、こうした特殊な事情が含まれることがあります。
収入が増えても、残るお金は自動では増えない
もうひとつ、同じ調査の中に気になるデータがあります。世帯主の年齢別に見た家計の姿です。
📊 収入が多い年代ほど、残るお金は小さい
二人以上の世帯のうち勤労者世帯・世帯主の年齢階級別/2025年・1世帯あたり1か月平均(世帯全員の合計)
数字にすると、こうです。
| 項目(2025年・1世帯あたり月平均) | 40歳未満 | 40〜49歳 | 50〜59歳 |
|---|---|---|---|
| 実収入 | 645,562円 | 713,746円 | 718,283円 |
| 非消費支出(税・社会保険料など) | 104,025円 | 135,013円 | 148,418円 |
| 可処分所得(手取り) | 541,537円 | 578,733円 | 569,865円 |
| 消費支出 | 301,216円 | 353,622円 | 374,940円 |
| 黒字(残ったお金) | 240,321円 | 225,111円 | 194,925円 |
40歳未満と50代を比べると、実収入の差は+72,721円。ところが非消費支出も+44,393円増えるので、手取りの差は+28,328円まで縮みます。そして消費支出が+73,724円増えるため、残るお金は45,396円少なくなるという結果になります。
⚠️ 「歳をとると必ずこうなる」ではありません
これは同じ世帯を20年追いかけたデータではなく、2025年時点の各年代を並べた断面です。世帯人員(40歳未満3.49人/40代3.74人/50代3.12人)や持家率(65.7%/79.3%/87.2%)も年代でかなり違います。ここでの金額も、すべて世帯全員を合計したものです。教育費や住居費の事情が重なった結果でもあり、年齢そのものが原因とは言えません。ここから読み取れるのは「収入が増えても、残るお金が自動で増えるわけではない」という一点です。

いま僕がやっているのは、とても地味な仕組みです。給料が入った日に、生活費の口座から別の口座へお金が自動で移るようにしてあるだけ。移った先のお金には手をつけず、残ったお金で1か月を暮らします。
この形にする前は、「余ったら回そう」と思っていました。ところが、余ったためしがありません。使い道を決めていないお金は、必ず何かに使われてしまうからです。
順番を逆にしただけで、感覚が変わりました。いまは月10万円ほどを積立に回していますが、我慢している自覚はありません。残った分は気持ちよく使えるようになりました。置き場所を先に決めておくと、使うことに後ろめたさがなくなる——これが、いちばん大きかった変化だと思います。
昇給の日にやることは、たった1つ
ここまでの話をふまえると、やることはとてもシンプルになります。増えた分の置き場所を、増えた日に決める。これだけです。なお「昇給の日」は一例で、転職・扶養の変更・副収入が入った日など、入ってくるお金の前提が変わった日ならどれでも同じです。
収入が増えてから時間が経つほど、暮らしのほうが先に広がります。先に決めてしまえば、あとは何もしなくていい。逆に言えば、決めなければ、増えた分は自然に消えていきます。
🗂 増えた手取りの置き場所を決める3つの行き先
昇給・転職・扶養の変更など、収入が変わったタイミングで1回だけ
順番は「もしも」が先
増えた分をいきなり積立に回したくなりますが、先に確認したいのは生活防衛資金のほうです。ここが薄いままだと、値下がりした場面で売らざるをえなくなります。目安や置き場所は 生活防衛資金はいくら必要? にまとめました。
足りているなら、次は積立の金額です。まだ積立をしていない場合は、ここが「いくらから始めるかを決める」に変わるだけで、やることは同じです。
ここでのコツは、増えた手取りの全額を回そうとしないこと。たとえば手取りが1万円増えたなら、半分を積立に、半分は暮らしに——くらいの配分でも、決めていない状態とは大違いです。
そして3つ目。残りは使ってかまいません。先に置き場所を決めているので、使ったところで未来のお金は減っていないからです。3つの箱の考え方そのものは お金の置き場所は3つでいい で詳しく書いています。
⚠️ 逆にやらないほうがいいこと
- 昇給を見込んで、先に固定費を上げる——家賃や車、サブスクは一度上げると戻しにくい費用です
- 増えた分を全額積立に回す——生活が詰まって、結局止めることになりがちです
- 「まとまってから考える」と後回しにする——置き場所が決まっていないお金は、たいてい使われます
増やす側に回すときに、気をつけたいこと
積立の金額を上げるときは、いくつか前提を確認しておくと安心です。
まず、NISAは「買うもの」ではなく、税金がかからない形で投資できる箱(口座・制度)です。中身として買うのは投資信託や株式で、これらには元本割れの可能性があります。増額したからといって、増えることが約束されるわけではありません。
次に、増額はいつでも減らせるということ。積立額を下げたり一時的に止めたりするのは失敗ではなく、続けるための調整です。手順や選択肢は 積立、やめていい?やめる前に知っておきたい4つの選択肢 に整理しています。
そして、増やした分がすぐ結果に出るわけではない、ということも先に知っておいてください。長期の複利は効果が表れるまでに時間のかかる仕組みで、しかも増えることが保証されているわけでもありません。金額を上げた翌月に何かが変わるわけではないので、そこで「意味がない」と感じないことが大事だと思います。
💡 増額するときの順番
- 生活防衛資金が目安に届いているかを確認する
- 届いていれば、増えた手取りの一部(全額でなくてよい)を積立に足す
- 買うものは変えず、金額だけ変える(つみたて投資枠で同じ商品を続ける形でよい)
- 設定したら、頻繁には見直さない
でもふくおさん、自分の昇給なんて雀の涙っす。数千円のために、そこまでする意味あるんすか?
金額の大きさより、決めたかどうかのほうが効いてくるんだ。今回のデータでも、増えた分は「決めていなかったから」消えていったんだよ。数千円でも同じことが起きるよ。
じゃあ全部積立に入れちゃえば最強っすね! 使わなきゃ減らないっす。
そこは止めておこうか。生活が詰まると、結局あとで止めることになるんだ。半分でも十分だし、まずは「もしも」のお金が足りているかが先だよ。
わかったっす。次に給料が変わったら、その日に決めるっす。残りは堂々と使うっす!
それでいいんだよ。置き場所さえ決まっていれば、使うお金は後ろめたくないからね。決めるのは1回だけ。あとは仕組みが働いてくれるよ。
まとめ|増えた分の行き先を、増えた日に決める
- 2025年の勤労者世帯は、収入が月17,746円増えたのに、残るお金は11,321円減った(総務省統計局・家計調査報告)
- 増えた収入の約45%(7,907円)は税・社会保険料の増加分。手取りの増加は9,839円だった
- 支出が増えたのはぜいたくのせいではない。食料は名目+5.5%なのに実質−1.2%で、交際費やこづかいはむしろ減っている(この費目別の数字のみ「二人以上の世帯」全体)
- 2025年の年代別に見ると、収入が多い年代ほど残るお金はむしろ小さい(40歳未満240,321円/50代194,925円。同じ世帯を追った推移ではなく、各年代の断面です)
- 打ち手は節約ではなく、増えた分の置き場所を、増えた日に決めること
- 直近で収入が変わったかどうか、給与明細を1枚だけ見返してみる
- 「もしも」のお金が目安に届いているかを先に確認する
- 届いていれば、増えた分の一部(たとえば半分)を積立に足す設定を検討してみる(全額でなくてよく、配分に正解はありません)
- 残りは、置き場所を決めたごほうびとして気持ちよく使う
- そもそも今いくら残せているかが分からないときは 家計簿が続かないのは性格のせいじゃない の「3つの数字」から
📱 積立の金額を決め直すなら、受け皿の口座から(口座開設料・口座管理料は0円です)
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※どちらか一方をすすめる記事ではありません。投資信託や株式には元本割れの可能性があり、将来の運用成果を保証するものではありません。積立額を増やすかどうかは、生活資金の余裕を確認したうえでご判断ください。「0円」は口座開設料・口座管理料についてのもので、取引手数料や投資信託の信託報酬など、商品・取引に応じた費用は別途かかります。なお、上記の「0円」「100円から積立OK」などの条件はいずれも2026年8月時点のもので、最新の内容は各社公式サイトでご確認ください。
※本記事の家計の数字は、総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」(2026年2月6日公表)によるものです。家計調査は標本調査であり、記載の金額は調査対象世帯の平均値です。個々の家計に当てはまる金額ではありません。また、実収入は世帯主を含む世帯員全員の税込み収入を合計したもので、個人の給与額ではありません(2025年の勤労者世帯の平均有業人員は1.81人)。賃上げ幅・賃上げ率は、同資料の<参考1>に記載された経団連の集計によるものです。最低賃金(全国平均66円引き上げ・1121円)は、同じく<参考1>に記載された2025年10月の改定内容です。税・社会保険料の負担は収入・年齢・地域・家族構成によって異なります。個別の税額については、お住まいの自治体や税務署、税理士にご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 昇給したのに手取りがあまり増えないのは、なぜですか?
A. 所得税や住民税、社会保険料は収入に応じて増えるためです。2025年の勤労者世帯の平均では、実収入が月17,746円増えたのに対し、税・社会保険料などの非消費支出は7,907円増えており、増えた分の約45%に相当します。ただしこれは全体の平均であって、個人の給与明細と一致する数字ではありません。負担の割合は収入や家族構成によって変わります。
Q. 増えた分は、全部投資に回したほうがいいですか?
A. おすすめしません。先に確認したいのは生活防衛資金が足りているかどうかです。ここが薄い状態で投資に回すと、急な出費のときに値下がりしていても売らざるをえなくなります。足りている場合でも、増えた手取りの一部から始めるほうが続けやすいと思います。なお、投資には元本割れの可能性があり、増額すれば必ず資産が増えるというものではありません。
Q. ボーナスや臨時収入も、同じ考え方でいいですか?
A. 「先に置き場所を決める」という点は同じです。ただし毎月の昇給と違い、ボーナスは翌年も同じ額とはかぎりません。ボーナスを前提にした毎月の固定費の引き上げだけは避けたほうが安全だと思います。置き場所を決めるところまでは同じで、金額の前提だけ慎重にするイメージです。
Q. 収入が減った年は、どうすればいいですか?
A. 同じ手順を逆向きにやるだけです。収入が変わったタイミングで、積立の金額を決め直します。減額や一時停止は失敗ではなく、続けるための調整です。一般に、積立の設定を解除しても、それまで買った分が自動で売られるわけではありません(取扱いは利用中の金融機関の規定をご確認ください)。選択肢の整理は 積立、やめていい?やめる前に知っておきたい4つの選択肢 にまとめています。
Q. 記事の平均額と、自分の家計がまったく違います。参考になりますか?
A. 金額そのものを自分に当てはめる必要はありません。とくに家計調査の収入は世帯全員の合計で、勤労者世帯の平均有業人員は1.81人(共働きを多く含む)、さらにボーナスを月割りした分も乗っています。ひとり暮らしなら、単身世帯のうち勤労者世帯の実収入が月386,791円(平均年齢43.3歳)というほうが近いはずです。この記事の数字は「収入が増えても、残るお金は自動では増えない」という形を確かめるためのもので、自分の家計で見るべき数字は3つ(収入・支出合計・固定費)だけで足ります。
Q. 昇給がない働き方なのですが、この記事は関係ないですか?
A. 「昇給の日」は、収入が変わるタイミングの一例です。転職、配偶者の働き方の変更、扶養の変更、副収入が入ったときなど、入ってくるお金の前提が変わった日であれば同じことが言えます。変わったタイミングで置き場所を決め直す、という点は共通です。
📎 参考にした主な公的情報・一次情報
※本記事は情報提供を目的としており、特定商品の購入推奨ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
詳細は 免責事項 をご確認ください。
最終更新日:2026年8月21日













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