※2026年7月時点の情報です。手続きの詳細は金融機関により異なります。特定の行動を推奨するものではありません。
- 収入が減って、毎月の積立が家計を圧迫している
- 「積立を止めたら、これまでの分もなくなるのでは」と不安で動けない
- やめたいけれど、「続けるべき」と言われそうで相談しづらい
- 止めたあと、また始められるのかがわからない
→ ひとつでも当てはまったら、この記事が「やめる前の選択肢」を整理するお手伝いをします。
- 積立を止めても、これまで積み立てた分は売られないという基本
- 減額・一時停止・一部売却・全部売却——4つの選択肢のちがい
- 手続きの流れと、意外と見落とす「締切日」の注意点
- 売るときに知っておきたいNISA枠の扱いと、再開のしかた
ふくおさん…今月ちょっと出費が重なって、積立がしんどいっす。やめたほうがいいっすかね
それは言いにくかったよね、話してくれてありがとう。まず安心してほしいんだけど、「やめる」って全部売ることだけじゃないんだ。金額を下げる、しばらく休む、という選択肢があるよ
えっ、休めるんすか?やめたら今まで積み立てた分も全部なくなると思ってたっす…
そこ、いちばん多い誤解なんだ。積立の設定を止めても、それまで買った分が売られることはないんだよ。毎月の入金が止まるだけで、持っている分はそのまま運用が続く
なんだ…!それなら気が楽っす。でも、やめるのって負けた感じがして、なんかモヤっとするんすよね
負けじゃないよ。生活を守るために調整するのは、ちゃんとした判断だからね。順番に、いちばん軽い選択肢から見ていこう
「やめたい」の理由は、大きく2種類ある
最初に、ひとつだけ整理させてください。「積立をやめたい」と思う理由は、大きく2つに分かれます。
- ①相場が理由(値下がりして怖くなった・元本割れを見て不安になった)
- ②生活が理由(収入が減った・大きな出費・ライフイベント・続ける意味がわからなくなった)
①の方は、この記事より NISAが暴落した。売るべき? のほうが役に立つはずです。値下がりの受け止め方や、過去の相場が回復してきた話はそちらにまとめています。「なぜ含み損が出るのか」を知りたい場合は 元本割れの正体 もどうぞ。
この記事が扱うのは②の「生活が理由」のほうです。こちらは気持ちの持ちようではなく、手続きと判断の話。実際にどう操作して、何を基準に決めればいいのかを見ていきます。なお、老後などに計画的に取り崩していく話は NISAの出口戦略 が担当です。
積立を止めても、これまでの分は消えません
手続きの話に入る前に、いちばん大きな誤解を先に解いておきます。
SBI証券は公式のFAQで、「積立設定を解除したことによって保有中の投資信託が売却されることはございません」と明記しています。つまり、毎月の買付が止まるだけで、これまで積み立てた分はそのまま運用が続きます。(SBI証券 よくあるご質問・2026年7月時点)
これは他の金融機関でも同じ考え方です。「積立をやめる」と聞くと口座ごと解約するイメージを持つ人が多いのですが、実際にやることは毎月の自動買付の設定を外すだけ。持っている投資信託は、そのまま置いておけます。
「やめる」には4つの段階がある
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。「続ける」か「やめる」かの二択ではなく、実際には4つの段階があります。
🪜 やめる前に、4つの選択肢がある
いちばん軽い段から選んでいい
| 選択肢 | これまでの保有分 | 非課税枠 | 元に戻すには |
|---|---|---|---|
| ① 減額 | そのまま運用継続 | 影響なし | 金額を戻すだけ |
| ② 一時停止 | そのまま運用継続 | 影響なし | 設定し直すだけ |
| ③ 一部売却 | 売った分だけ現金化 | 売却分(簿価)が翌年以降に復活 | 買い直し(枠の復活を待つ) |
| ④ 全部売却 | すべて現金化 | 売却分(簿価)が翌年以降に復活 | 買い直し(枠の復活を待つ) |
※この4つは、いずれもNISA口座そのものはそのまま残ります。口座を廃止する手続きはこの4段階とは別の話で、やめるだけなら必要ありません(後ほど説明します)。
表を見るとわかるとおり、①②と③④のあいだには、はっきりした段差があります。①②は設定をいじるだけで元に戻せますが、③④は一度売ると、枠が戻るのは翌年以降になります。「とりあえず全部売る」から入る必要は、ほとんどありません。

僕にも、積立額を決めかねて手が止まった時期がありました。始めた当初に「これくらいできるはず」と決めた金額が、実際に何か月か回してみると少しきつい。かといって止めるのも違う気がして、証券会社の設定画面を開いては閉じるのを何度か繰り返しました。
結局そのときは、金額を下げて続けることにしました。理想の額を守って苦しくなるより、無理のない額で続いているほうがずっといい——そう考え直せたのが転機だったと思います。いま月10万円の積立が続いているのも、意志が強いからではなく、途中で何度か「自分に合う額」に調整してきたからです。最初の設定を守り抜くことが偉いわけではないんですよね。
まず試したいのは「減額」
いちばん軽い選択肢が、毎月の金額を下げることです。多くの金融機関では100円や1,000円といった少額から設定できるので、「ゼロにする」前に「下げる」という手が使えます。
金額をいくらにするかそのものは NISAの積立額の正解 でも整理しています。減額は「後退」ではなく、続けるための調整です。
それでもきついなら「一時停止」
収入が止まった、産休・育休に入った、しばらく大きな支出が続く——そんなときは、思い切って休むという選択もあります。手続きはどの金融機関でもおおむね次の流れで、数分あれば終わります。
- 証券会社・銀行のサイトやアプリにログイン
- 「積立設定」の一覧を開く
- 該当のファンドの設定を「解除」または「停止」
なお、引き落とし口座の残高不足が続くと積立が自動で停止するケースもあります。「気づいたら止まっていた」という場合、これに当てはまることがあるので、心当たりがあれば設定画面を見てみてください。
止めるのって、罰金とか手数料とかかからないんすか?途中でやめると損する、みたいな話も聞くっすけど
積立設定を止めること自体に、違約金のようなものはないのが一般的だよ。いつでも止められて、いつでも再開できるのがこの仕組みのいいところなんだ。「損する」と言われるのは、長く続けたときの効果が小さくなるという意味で、罰があるわけじゃないよ
止めてる間、持ってる分はどうなるんすか?ほったらかしで平気っすか
そのままで大丈夫。値動きはあるけど、運用は続いているからね。買い足すのを休んでいるだけで、持っている分の非課税は変わらない。何もしなくていいんだ
売るときに知っておきたい、NISA枠の話
どうしてもお金が必要で売ることになった場合、NISAならではのポイントが2つあります。
- 枠は「簿価」で、翌年以降に復活する:金融庁は、NISA口座内の商品を売却した場合、その商品の簿価(買ったときの金額)分の非課税枠を翌年以降に再利用できると説明しています。売ったその年のうちに枠が戻るわけではない点に注意です。また、戻るのはあくまで買値の分。たとえば10万円で買った分が15万円に値上がりしていて売った場合、翌年戻るのは10万円分で、値上がりした5万円分は枠として戻りません
- NISA内の損失は損益通算できない:課税口座と違い、NISA口座で出た損失は他の利益と相殺したり、翌年以降へ繰り越したりできません
- 「一部だけ売る」ができる:必要な金額だけ売って、残りは運用を続けるという選び方ができます。全部売る前に、まずこちらを検討する価値があります
売る手続き自体も、数分あれば終わります。保有商品の一覧を開いて「解約(売却)」を選び、金額を指定するか全部かを決めて注文するだけです。ひとつ気をつけたいのは、売ってから手元にお金が入るまで数営業日かかること。支払期限が決まっている出費に充てるなら、逆算して早めに動いておくと安心です。
※旧つみたてNISA(2023年まで)で購入した分は、売却しても枠が復活しない仕組みでした。現行NISAとは扱いが異なります(2026年7月時点)。
「生活のための売却」は、狼狽売りとは違います
投資の記事ではよく「値下がりで慌てて売るのは避けたい」と言われます。それはそのとおりなのですが、生活のために売ることは、それとはまったく別の話だと僕は思っています。
| 値下がりで怖くなって売る | 生活のために売る | |
|---|---|---|
| きっかけ | 相場(自分の外の出来事) | 生活(自分の事情) |
| 判断の材料 | 不安・焦り | 必要な金額・使う時期 |
| あとで振り返ると | 「待てばよかった」となりやすい | 必要だったのだから仕方がない |
| 考え方 | いったん立ち止まりたい(記事はこちら) | 暮らしを守るのが先 |
お金は、生活のためにあります。生活を削ってまで投資を続ける必要はありません。ただ、売る前にひとつだけ確認したいのは、手元の現金で足りないかどうか。生活防衛資金があるなら、まずそちらを使うほうが自然です。この順番を意識するだけでも、売らずに済むケースはあると思います。
積立を止めたあとに、やっておきたい3つのこと
- 保有分は放置でOK:止めたあとに何か手続きが必要になることは、基本的にありません
- 再開の目安をゆるく決めておく:「ボーナスが出たら」「転職が落ち着いたら」程度で十分。決めておくと、再開が自然になります
- 手元の現金を厚くする:止めた分のお金がなんとなく使われてしまわないよう、お金の置き場所を分けておくと、次の一歩が楽になります

僕自身は、積立を完全に止めた経験がありません。だから「止めた人の気持ちが全部わかります」とは言えません。ただ、続けてこられたのは意志が強かったからではなく、途中で何度か金額を下げて、続けられる範囲に収めてきたからだと思っています。もし始めた頃の理想の金額を守り続けていたら、どこかで苦しくなって、全部やめていたかもしれません。
だから僕は、積立額を「一度決めたら変えてはいけないもの」とは考えていません。暮らしが変われば、積立も変えていい。転職、出産、家族の状況——生活のかたちが変われば、無理のない金額も変わるのが当たり前です。止めた人も、減らした人も、それは失敗ではなく調整だと思います。
整理できたっす!「やめる」には減額・一時停止・一部売却・全部売却の4段階があって、止めても今までの分は消えない。自分はまず減額でいけそうっす
いい判断だと思うよ。しんどいまま続けるのが一番よくないからね。下げてみて、それでもきつかったら休めばいい
また余裕が出たら、戻せばいいんすよね。そのときはゼロからやり直しっすか?
ううん、ゼロからじゃないよ。持っている分はそのまま残っているから、再開したらその上に積み上がっていく。休んだ期間も、資産が消えたわけじゃないんだ
それ聞いて安心したっす。とりあえず今月は金額下げて、様子見てみるっす
それでいいと思うよ。生活が落ち着くのが先。それからでいいんだよ
まとめ|「やめる」は失敗ではなく、調整
- 積立設定を止めても、これまで積み立てた分は売られません。毎月の買付が止まるだけで、運用は続きます
- 選択肢は①減額 ②一時停止 ③一部売却 ④全部売却の4段階。①②は設定し直せば元に戻せます
- 手続きに違約金のようなものはありませんが、締切日の関係で翌月分が買い付けられることがあるので、利用先の公式ガイドで確認を
- 売る場合、NISAの枠が戻るのは簿価ベースで翌年以降。NISA内の損失は損益通算できません
- 生活のための売却は、値下がりで慌てて売るのとは別物。暮らしを守るのが先です
- 積立を止めるだけなら、NISA口座を廃止する必要はありません(廃止すると保有分は課税口座へ移ります)
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※本記事は2026年7月時点の一般的な情報です。積立の停止・変更・売却の手続きや締切日は金融機関によって異なりますので、必ずご自身の利用先でご確認ください。特定の行動を推奨するものではありません。
よくある質問(FAQ)
Q. 積立を止めると、ペナルティや違約金はかかりますか?
A. 積立設定を止めること自体に違約金のような仕組みはなく、手続きの手数料もかからないのが一般的です。ただし売却する場合は、商品によって信託財産留保額(解約時に差し引かれる少額の費用)がかかることがあります。詳しくは目論見書や各金融機関のページをご確認ください。
Q. 何回でも止めたり再開したりしていいのですか?
A. 回数の制限は設けられていないのが一般的です。生活の状況に合わせて、下げる・休む・戻すを繰り返して問題ありません。無理な金額のまま我慢するより、そのときの暮らしに合わせて調整するほうが、生活にも無理がないと思います。
Q. 止めている間も、持っている分は増えますか?
A. 買付を休んでいるだけなので、保有している投資信託の運用は続きます。値動きによって増えることも減ることもありますが、止めたから運用が凍結される、ということはありません。非課税の扱いもそのままです。
Q. 売ったら、NISAの枠はいつ戻りますか?
A. 売却した商品の簿価(買ったときの金額)分の枠が、翌年以降に再利用できるようになります。売った年のうちにその枠をもう一度使うことはできません(2026年7月時点)。年間の投資枠(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円)の上限は別途あります。
Q. 積立をやめるなら、NISA口座も解約したほうがいいですか?
A. その必要はほとんどありません。口座を廃止すると、保有商品は課税口座(利益に約20%の税金がかかる通常の口座)へ移されてしまいます。休むだけなら積立設定の解除で十分で、口座はそのままにしておくほうが、再開するときも簡単です。
Q. 収入が減ったとき、積立と生活費のどちらを優先すべきですか?
A. 一般的には、生活を回すことが先と考えられています。投資は余裕資金で行うのが基本なので、生活費を削ってまで積立を続ける状態は長続きしません。固定費の見直しで支出を軽くしてから、続けられる金額を決め直すという順番もあります。
📎 参考にした主な公的情報・一次情報
- 金融庁:NISA特設ウェブサイト よくある質問(売却分の非課税枠の再利用について)
- 金融庁:新しいNISA(制度の概要・投資枠)
- SBI証券:積立設定の解除について(保有分は売却されない旨)
- 楽天証券:クレカ積立(楽天カードクレジット決済)/申込期限「毎月12日」について
- 楽天証券:積立設定の照会・訂正・解除
※手続きの名称・締切日・操作画面は金融機関によって異なります。最新の内容は各社の公式ページでご確認ください。
※本記事は2026年7月時点の情報をもとにした一般的な解説であり、特定の金融機関・サービスや金融商品・投資手法、また特定の行動(継続・停止・売却)を推奨するものではありません。投資には元本割れの可能性があります。投資判断はご自身の責任でお願いします。
詳細は 免責事項 をご確認ください。
最終更新日:2026年7月21日













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